第7話 ラミュルとの別れ

 スキル確認の儀式が終わって3日後、国の宮廷治療師団からラミュルを迎えにやって来た。儀式からたった3日しか経ってないので、ラミュルも義母セナも心の準備が出来てなかった。


「ママ、お兄ちゃん!私は行きたくないよ!」

「ラミュル、ラミュル~!」


 俺は何も出来ずに立ち尽くすしか無かった…


「兄の方はかなり恵まれた天賦を持ってるな、君が望むなら妹と一緒に連れて行っても良いぞ?」


 団長らしき人が俺に声を掛けた。

 その時、義母セナは『ビクッ』と反応したのを俺は確認した。俺が居なくなれば1人で生きて行くしかないからだ。俺はラミュルの元へ近寄り笑顔で話し掛ける。


「ラミュル、兄ちゃんは一緒に行けない。ママが1人になっちゃうだろ?ラミュルが帰ってくるまでは、兄ちゃんが必ずママを守るから頑張るんだ。出来るよね?」

「う…うん、頑張る。ママをよろしくね。」

「あぁ、任せろ!」


 その後は、ラミュルも落ち着いたので、団長と馬車に乗り込み王都へと出発した。俺と義母セナは馬車が見えなくなるまで手を振って見送ったのだった。


 ラミュルの見送りが終わると義母セナが申し訳無さそうに話しかけて来た。


「本当は宮廷へ行きたかったんでしょ?残った事を後悔してない?」

「後悔してないよ♪ラミュルが帰ってくるまで一緒に頑張ろう!」


 そう言って、2人で借家へ帰って行った。


 ラミュルが王都へ向かってからは、俺も義母セナは一生懸命に仕事をしながら忙しい毎日を過ごして行った。


 更に月日が経ち、俺は10歳を迎えていた。

 ハンターランクもDランクに上がって、近場ではあるが弱い魔物を討伐出来るまで成長していた。収入は増えたけど、小国で常に紛争が起こってる為に徴税が増えて、生活は変わらず貧しいままだった。


義母セナさん、戻ったよ!」


 いつもは直ぐに返事があるのに、今日は無かったので具合でも悪いのかと思って義母セナの部屋へ入っみると…濡れタオルで身体を拭き洗いしてるところだった…


「あっ…ごめんなさい…返事が無かったから。」

「ううん、変なもの見せちゃったわね…」

「そんな…義母セナさんは綺麗だよ。」

「おばさんを煽てなくても良いのよ♪」

「本当だよ、昔からかわらず綺麗だよ♪」


 俺は煽ててる訳ではなく、純粋に義母セナの事を綺麗だと思っていた。

 今も義母セナの裸を見た事で心臓が『バクバク』してる程だった。思春期を迎えてきた俺には刺激が強過ぎた(笑)

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