第6話 仕事漬けの毎日…

 父の死後ハンターとなって2年が経った。


 手伝いや採集を昼夜問わずに働き続けた。最低のGランクから始まった俺のハンターランクも、今ではEランクとなった。収入は相変わらず少ないが、家族3人なら何とか生きて行く事は出来ていた。


「ただいま、義母セナさん少ないけど今日の稼ぎだよ。」

「ウォード、ありがとう。」

「お兄ちゃん、おかえり~!」

「ラミュル、ただいま」

「明日はラミュルのスキル確認の儀式だね」

「ウォードは仕事休めるの?」

「元々仕事は入れてないから一緒に行くよ」


 明日はラミュルのスキル確認の儀式があるので、家族3人で教会へ向かう。この2年間で初めての休暇だ。本当は仕事をしないと金銭的に苦しいけど、可愛い妹の晴れ姿を見たいので休む事にした。


 そしてスキル確認の儀式当日、俺達は教会でラミュルの儀式の順番を待っていた。


「お兄ちゃんも待ってる時はドキドキしたの?」

「あぁ、今もドキドキしてるよ(笑)」

「良い【天賦スキル】があるかな?」

「きっとあるよ♪ほら順番だよ」

「ラミュル.レーカーこちらへ」

「は、はい!」


 ラミュルが司祭の前に跪いてスキルを確認してもらう。


「確認しました。〚白魔法〛〚鞭術〛ラミュルさんは人々救う者となるでしょう」

「ありがとうございます」


 ラミュルの天賦は俺より素晴らしい物だった。人の命を救う事の出来る〚白魔法〛は、使い手が少なく国の管轄下に置かれる。


義母セナさん、ラミュルは〚白魔法〛を持ってるから国の管轄下に置かれる。」

「どういう事なの?」

「ラミュルは国が責任を持って育てるから、僕達の元を去って行く事になると思うんだ」

「そんな、私はどうすれば……」

義母セナさん、あなたさえ良ければ僕はずっと一緒に居るよ?」

「ウォード、あれだけの事をした私にどうして優しく出来るの?」

「ラミュルに安心して欲しいし、セナだった頃に優しくして貰った事を覚えてるからね」

「なんて優しい子なの……ありがとう」

「好きな人が出来たら教えてね!義母セナさんの幸せが第一だからね?」

「こんな、おばさんには出来ないわよ」

「ちゃんと身なりを整えれば義母セナはとても綺麗だよ」


 そんな話しをしているとラミュルが戻って来て、義母セナさんに抱き着いてた。


 抱き合う2人を見てもっと3人で過ごす時間が欲しいと願った。


 そんな事には成らないんだけどね…本当に何事もうまく行かないよ(汗)

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