第4話 父の死…

 レーカー男爵家は、ラグーン王国と言う小国の貴族で、ブランド王国.クルーズ共和国.ランダム王国に囲まれ、常に何処かで紛争が起っている。


 今回はブランド王国が中規模部隊で攻め入ったので、父はレーカー領の兵を連れて紛争地へ向かう事になった。


「相手は中規模部隊だ、長い戦いには成らないよ。セナ、留守を頼んだよ。」

「フォード、どうか気をつけて…御武運を。」

「父上、お帰りを待ってます。御武運を!」

「ありがとう。では行ってくる!」


 領地の砦から父の出発を見送った。

 これが今生の別れになるとは知らずに…


 父が紛争地へ向かってる間。

 義母セナは気が緩んだのか、俺への態度を周りを気にせずに罵声を浴びせる。


「ウォード、たまたま良い【天賦スキル】があるからって偉そうに!フォードが優秀だからあんたも優秀だっただけよ!見てなさい、ラミュルは私とフォードの娘何だからね、お前とは比べものにならない程のスキルを持ってるんだからね!」


 支離滅裂過ぎて言ってる意味が理解出来なかったが、一応返事をしておいた。


「そうですね、ラミュルは僕より多くの【天賦スキル】を授かると思います。ラミュルと一緒にレーカー男爵家の為に頑張りたいと思います。」

「ふん、男爵家を継ぐのはラミュルなのよ!お前なんか早く家を出ていけば良いのよ!」


 義母セナは酒を飲み過ぎて呂律も回らなくなって、見かねたメイド達に連れられて寝室へ向かった。その様子を見て俺は溜息をつきながら自分の部屋へと戻ろうとすると、慌ただしい様子の執事長が部屋へと入って来た。


「ウォード様、セラ奥様はどちらに?」

義母セナは酒の飲み過ぎでメイド達が寝室へ連れて行ったよ。何かあったのかい?」

「旦那様が紛争地にて戦死されたとの報告が入りました…」

「父上が?亡くなった…」

「直ぐに義母セナへ知らせてくれ。」


 突然、父の戦死にレーカー男爵家の行く末が不安になった。父に子供は2人居るが共に未成年なので、義母セナが代理当主として領地を運営するか、国から新たな男爵が任命されるか。おそらく新たな男爵任命だと思う…


 父の死で安定した生活を失う事になる…

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