第4話 避難②

 体育館に避難すると、私を含め、緊迫とした空気に怯えるクラスメイトを励ましている声が聞こえた。


 そう、君だ。君は他のクラスメイト同様に私のことも励ましにきてくれた。


「大丈夫。体育館に避難したから安心だよ。いつもの成田らしくないよ。」


 皆と同様に不安なはずの君は、私に明るく声をかけた。


 暗かった視界に一筋の光が舞い込んでくるような、その一言に救われた。


 体育館でも校庭同様に保護者の方が迎えに来た子が帰って行く。こんな状況なのに尿意は通常通りにやってきた。


 私の他にトイレに行きたい子とトイレに行って用を足し、体育館に戻った。


 この時、水道が流れていたかは覚えていない。

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