第5話 避難③
戻った先に君の姿はなかった。
友人に君の行方について尋ねると保護者と帰ったという話を聞いた。
その時は大して気にとめる事なく、親御さんと帰れたならよかったと楽観視していた。もう会えなくなるなど思いもしなかったから。
私にも母の迎えがあるかと期待をしていたが迎えはなかった。後になって母から聞いた話によると、私と妹を避難先に迎えに行こうと車で職場から小学校に向かっていた。しかし、近くを流れる堀から水が溢れているのを見て、ただならぬ気配を感じ、急いで小学校から引き返したという。
母の咄嗟の判断力のおかげで私は生き延びることができたのだと思うと、今でも感謝してもしきれない。
父については後で記していく。
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