第55話 ギグロバ教

 南方大陸。

 様々な種族が入り乱れ闇鍋の如くな場所。それが南方大陸。

 様々な種族が存在しているため政情は安定せず常に小競り合いが続いている場所でもある南方大陸で唯一安定している地域が存在していた。

 それは魔王顕現の兆しの神託を受けたギグロバ教の治める地域であった。

 この地域は比較的情勢が安定しており、平和を愛する者達が身を寄せ合う場所として昔から発展してきていた土地でもあった。

 そんな土地を運営していたギグロバ教への魔王顕現の神託は、新たな時代を彼等に予感させるだけの魅力を秘めたものであったのだった。

 この地域の亜人達はひっそりと身を寄せ合うように暮らしてきた。

 だが、魔王という強大な存在の庇護下に入ることが出来れば、そんな暮らしから脱却できるかも知れないという期待を持ってしまったのだ。

 故に彼等は動き出す。魔王が何処に居るのかを。

 そして見つけ出した。

 北方大陸を蹂躙し人間を、魔物を家畜の如し扱う絶対的な存在を。

 彼等はその存在…我が輩を魔王と認定した。

 そして、その庇護下に入る為に接触を図るのだった。

 だが、悲劇はここからさらに拡大することになる。

 欲に支配された魔王の元へと向かうのだから。

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