第47話 神聖教皇市国
教皇の間。
そこは異常な程に質素な場所であった。
人属領に存在する教会のトップが居住する場所とは思えない程の場所だ。
だが、こここそが神聖教の中枢であり、それを纏め上げる存在である教皇が居る場所なのだ。
「それではやっと見つけたのですね」
「はい、元タックス王国を中心にして活動をしているようです」
「では、各国と協同して討伐の準備を整えて下さい」
人属領の精神的な支えとなっている神聖教が、魔王討伐の志を掲げ各国へと語りかける。
正義は我にあり、悪は魔王にありと。
そして、元タックス王国周辺の悲惨な状況を伝える事で、神聖教は各国を立ち上がらせて見せた。
そして、始まるのは各国協同で行われる魔王討伐軍の編制と出兵であった。
だがしかし、各国との協調は難航した。
理由はいくつかある。
まずは遠隔地への派兵と言うこと、それに伴い勝てたとしても飛び地の領地しか得られないこと。
そもそもの問題として、各国はまだ我が輩達吸血鬼軍団のことを楽観視していたのが理由だ。
これらの理由に加えさらに派兵の手間、軍の編制から兵站の確保や各国との調整作業などが重なり、人属領に多くの信奉者が存在している神聖教の威光を持ってしても魔王討伐軍の準備にはそれ相応の時間が掛ってしまった。
そして、その間も我が輩達の軍はどんどんと膨れ上がって行っていた…
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