第29話 崩れるギルドの威信

 タックス王国のハンターギルドは国家によって運営されている。

 これは、ハンターと言う存在が魔物を倒すことにより成長し、特級の戦力として活用できることから、この様な事案として取り扱われていた。

 だが、そんなギルドも過去の威容も威信も既に無し。

 森での謎のハンター失踪事件。

 謎の存在による野盗の討滅。

 行商人の護衛任務の度重なる失敗。

 と、上げればきりが無い程の失敗が積み重なっていた。

 これは同時に国の威信にも直結した。

 タックス王国のハンターとは軍事の要である。

 そんなハンターが激減し信用も落ちた現在では、民心もまた国家から離れていたのであった。

 だが、それでもギルドはまだ諦めていなかった。

 ギルドの最高戦力…国家最高戦力である「暁の戦士」が未だに健在なのだから。

 そう思って、縋り付いた思いを抱いているのは最早ギルドに所属する者と,国家運営に携わる者達だけと言うことに気付かぬままに時は過ぎていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る