第26話 我が輩子爵になる

 季節は巡り夏、遂にその時がやって来た。

 夏とは草花が生長する季節である。まるでそんな草花と同じように我が輩も成長の時を迎えたのだ。


吸血鬼・子爵・始祖

吸血

ブラッディープール

血魔法

血・記憶抽出

超音波

音魔法

闇魔法

死霊術・血

眷属 騎士爵5/25

   男爵 0/5

飛行

魔王の種


 さて、まずは新たに獲得した能力について確認していこうか。

 死霊術、呼んで字の如く死霊を操ることが出来る術だの。

 これで眷属以外で軍団を形成することが出来るだろう。

 正し、死霊として使役するためには死体に我が輩の血を分け与えないといけないらしい。

 だが、その辺りは問題なかろう。

 殺す時に血を啜り、それを活用すれば良いのだから。

 次に眷属の種類と数が増えたな。

 男爵が五名と騎士爵が二五名まで増やせる様になった。

 流れてくる情報から勘案するに、死霊術は命令を聞くだけの存在である様で、眷属の様に意見等を言う事が出来ない意思が無い存在だ。

 眷属達が側近だとすれば、死霊術で生み出した者達は、あながち兵といったところであろうか。

 う~む、であれば…死霊術で兵を増やす場合は男も入れても良いかもしれんか…?

 あまり気乗りはしないが、数を揃える為には仕方がなかろう。

 とはいえだ、此方の命令通りに動くだけの存在とは言え、我が輩の血を与えるのだ、知識や経験は共有されるものだから、かなり有用な戦力として数えられるというから問題として問うべきではないか…

 さて、まずはあの五人を陞爵させてやるとするかの。


吸血鬼・子爵・始祖

吸血

ブラッディープール

血魔法

血・記憶抽出

超音波

音魔法

闇魔法

死霊術・血

眷属 騎士爵0/25

   男爵 5/5

飛行

魔王の種


「これでお主等も女男爵じゃ。

 これで自らの眷属として騎士爵を叙爵させる事が出来よう」

 五人を代表して女魔法使いドロテアが声を上げる。

「は!有り難き幸せ」

 何処か蠱惑的な表情を滲ませながらも、ハキハキとした声に乗せて我が輩へと返答するドロテア。

 彼女もまた成長する悦びに目覚めてしまったのだろうか…

「さて、これからは忙しくなるぞ。

 お前達の眷属選び。

 さらに我が輩の眷属として扱える騎士爵も数が増えておる。

 お前達の眷属は好きに選ぶが良いが、それと同時に我が輩好みの女子おなごも見繕う様にな。」

「畏まりました。我が主よ」

「我が輩も死霊術で軍団を作る仕事がある。

 手間は掛けるが死体を見つけたら我が輩の元へと運ぶ様にな」


 我が輩が子爵に成長したことにより組織が急激に拡大していくことになる。

 死霊術による兵団。

 男爵五名と騎士爵五十名。


 我が輩はどれだけの戦力を集めることが出来るのだろうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る