第17話 我が輩の眷属達

 人間の肉体から吸血鬼の肉体へと成長を遂げた女戦士の肉体は美しかった。

 全身を覆う筋肉美は見事の一言であり、女性らしさも失っておらず何とも言えないバランスの上に成り立っていた。

 それも吸血鬼化したことにより、人間だった頃よりもより長く維持出来る事を踏まえればなんと素晴らしいことか。

 さて、一人目の眷属化に成功をしたので二人目の眷属化に向かいたいところではあるのだが、未だに女戦士の意識は戻らないままだったので、暫くの間肉体鑑賞としゃれ込むことにした。


「ここは?」

「目が覚めたか、我が眷属よ」

 そこには我が主が存在していた。

「これは…申し訳ありません。

 主の前だというのに、この様な醜態をさらしてしまい」

「よいよい、気にするな。

 それよりも我が輩は新たな眷属を手に入れてくる。

 お前にはその間魔物共でも狩っておいて欲しい。

 魔石は我が輩が食す故に残しておいてくれ。

 だが、それ以外は好きにして良い」

「はっ!畏まりました」

「うむ。最近は我が輩の活動の所為も会ってハンター共の活動も活発化しておる、出来得る限り安全に気を配り活動する様にな。では、行ってくる」

 そう言葉を残し主様は行ってしまわれました。

 呆けている場合ではありません。

 主様に言いつけられた通りに魔物を倒し魔石を献上せねばなりませんね。


 我が輩は目をつけていた女魔法使いの元へとやって来た。

 女戦士同様の手順で拘束し野盗の塒へと戻る。

 そこには女戦士の姿は無く。まだ狩りを行っている様だったので、我が輩は女魔法使いの眷属化を始める。


 私が新しく手に入れた肉体の性能を確かめながら狩りをしていると主様の気配が戻られている事を感じた。

 私は狩りを切り上げ、成果である魔石が懐にちゃんと有るのかを確認しつつ帰路についた。

 そこでは、新たな眷属…仲間となるべく存在の肉体が作り替えられている模様が垣間見えた。

 私もあの様な感じで今の肉体へとなったのだろうか。


「たたいま戻りました主様」

「うむ。

 狩りの成果はどうであったか?」

「は!短い時間でしたのでこれほどしか」

「よいよい、実際攫ってきて直ぐに戻ってきたから時間はそれ程無かったしな、成果があるだけ良いというものよ。

 さて、眷属化が終わるまで石を食していようかの」

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