第13話 我が輩は森から逃れる
今現在の我が輩は捕食を目的とした行動では無く、成長をし知識を貯めそれを実践し試し自らの血肉と同様に扱える様にするべく日夜活動を精力的に行っていた。
地力を上げるために動物達を殺し石を食らい血を吸う。
そして、あの2足歩行する動物の血を啜って分かったことだが、本能だけしか存在しない彼奴等動物であっても記憶というものは存在しそれらも活用した、対動物用の戦い方というものも研究してみたりもしている。
それと並行して、森の中に時折分け入っている二足歩行型の動物達は少しずつその強さを増してきている様な感じを受ける。
その理由は既に分っている。
どうやら我が輩が次々に二足歩行型の動物…詰り人間のハンターを殺していることに警戒している結果、より高位で強いハンターを森に中に送り込み、ハンターが森から戻らない原因を究明するべく活動を行っているらしいのだ。
であるならば、我が輩がとるべき事は一つ。
餌が自ら来てくれるのならばそれを待ち受け糧とするだけである。
ただ一つ懸念点がある。
ハンターの上位の存在はどうやらかなりの強さを保持しているらしく、その者等が出張ってくる迄が潮時であろう
そして幾許かの時が流れる。
その日もいつも通りに狩りをしていると彼奴等は現れた。
今まで殺してきたハンターとは装備している物から出で立ちまで何もかもが異次元の強さが垣間見える存在が森の中に姿を現したのだ。
我が輩は森を去った。
何時かあの様な強気者共を狩れる様になれる様になる為の力を付けるその時まで死ぬ訳にはいかぬのだから。
人間共が盗賊・野盗と呼ぶ者達がいる。
森を去ることにした我が輩はそう言った者共を喰らうことにした。
そう言った輩の住処の情報は、これまでに血を啜ってきたハンター達から情報を記憶として抜き出している為、容易にその塒を見つけることが出来た。
そして彼奴等は数こそやや多い者のハンター共と比べれるべくもない力の弱さであった為容易に狩ることが出来たのだ。
こうして我が輩は新たな狩りの対象を見つけたのだった。
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