第152話 海賊の宝箱を開けるのはカギを手に入れたあとで
銀色宝箱から出たのは、型紙の破片とマグロだった。
特にマグロは、よくも宝箱の中に入っていたなってくらい大きい。
「……魚?」
「マグロだ」
「…………焼いたら美味しい?」
「マグロは焼かずに生で食べたいが、これは食べられない。これは武器だ」
見た目が魚なだけで、本当に食べれない。
触ってみたらわかるが、感触は金属だしな。
「水属性の大剣だな」
「強いの?」
「こんな見た目だが、攻撃力だけなら、アムが使ってる武器の中で断トツ。まぁ、大剣だからハンマーと同じくらい扱いが難しいが……」
「ご主人様、少しお借りしてもよろしいでしょうか?」
アムがマグロの尻尾の部分を持つ。
彼女はそのマグロの尻尾を持つ感触を確かめながら、大きく振った。
そして、その振り心地を確かめるようにし、
「少し癖の強い大剣ですね。使えないことはないですが、慣れるまでは主武器にするのは難しいでしょう。少し時間をいただけたら使いこなしてみせます」
と俺に言った。
ゲームでネタ武器に慣れている俺はまだしも、話を聞いただけでマグロを武器だと言い切れるアムも凄いな。
アムが早速、アクアゴーレム相手に使ってみたいというので、茶色宝箱の中を取ってから揺り戻しのねじ巻きを使う。
アムがマグロを使ってアクアゴーレムのロケットパンチを叩き落とし、大きく振り回して戦っている。
マグロの攻撃力が高いとはいえ、アクアゴーレムの防御力は高い上に、斬攻撃にも水属性にも耐性があるからダメージは少なく、戦いは長引いた。
マグロを使ってパンチを受け止めているところが一番シュールだったな。
徐々に体力を削られていったアクアゴーレムはようやく動かなくなり、茶色宝箱が三つ現れた。
「癖に慣れるのにもう少し時間がかかりますね。素振りの訓練にマグロを使う時間を取り入れたいと思います」
もう少しって、戦えていたと思うが。
あと、素振りでマグロを使うのは止めた方がいいと思う。
何も知らない人が見たら、絶対に腰を抜かすから。
とりあえず、茶色宝箱の中身を取り出して脱出。
一応地図を使って周囲を確認するけど、例の二人組の反応は無し。
そのまま二周目に突入した。
そして、夕方になったので、そろそろ終了。
目標の十五周には及ばないが、十二周、合計二十四体のアクアゴーレムを撃破。
金色宝箱3個、銀色宝箱17個、茶色宝箱54個。
―――――――――――――――――――――
茶色宝箱
・500イリス:12
・1000イリス:11
・1500イリス:8
・ポーション:4
・ポーション×3:2
・魔力ポーション:3
・解毒ポーション:1
・砂金:3
・銀塊:1
・鉄塊:3
・銅塊:1
・空き瓶×3:1
・帰還チケット:3
・魚介類セット:1
銀色宝箱
・万能薬:3
・ドッグフード:2
・高級ペットフード:1
・マグロ(大剣):1
・サンマ(剣):1
・巨大貝(盾):1
・武器強化の巻物:1
・大きな真珠(黒真珠):1
・福引回数券:1
・お手軽魚卵セット(海水魚):2
・ダチョウの雛:1
・技術書(手加減攻撃):1
・魔導書(フィッシュソナー):1
金色宝箱
・お祝い用打ち上げ花火:1
・魔導書(アクアカッター):1
・海賊の宝箱:1
―――――――――――――――――――――
って感じだった。
初めて出たものダケで説明する。
魚介類セット:使用すると複数の魚介類が手に入る。
サンマ(剣):ネタ装備。水属性の剣として使用できる。攻撃力はライトソードと同じくらい。
巨大貝(盾):大きな貝の形の盾。水耐性のある盾として使用できる。防御力は鉄の盾より高い程度。
大きな真珠(黒真珠):装飾品の作成に使える。黒真珠は真珠より効果が高い。
お手軽魚卵セット:海水の釣り堀ができたときに使用すると、釣り堀で釣れる魚の種類がランダムで増える。
ダチョウの雛:牧場で育てると成鳥になる。成鳥になるとダチョウの卵が週に一度手に入る他、騎獣としても使える。
技術書(手加減攻撃):手加減攻撃の能力が手に入る。手加減攻撃を使って攻撃すると、与ダメージが0.8倍になり、体力が1を下回ることはない。
魔導書(フィッシュソナー):釣り場で使用できる。魚のいる場所、釣れる魚の種類などがわかる魔法を覚えることができる。
魔導書(アクアカッター):水の刃を生み出す魔法を覚えることができる。
海賊の宝箱:中に財宝が入っている宝箱。開けるには海賊の鍵が必要。
って感じだ。
「……魔導書。探索魔法は珍しい。嬉しい」
ミスラはフィッシュソナーの魔導書を読みたそうにしている。
アクアカッターについては、普段の水魔法を改良しても似たような魔法を使えるので関心が低いようだ。
海賊の宝箱がお預けになったが、中身は貴重品が多いので後の楽しみだな。
「海賊の宝箱――中身が気になります。剣で壊せないでしょうか」
「中身が壊れたら困るから無茶しないでくれ」
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