第7話【ドッペルゲンガー】【後日談】




超常現象解明部 放課後 部室にて



以下、会話文のみ


………………………………



「結局ループの事とは関係なかったな」


「そうだね、また次があるよ」


「あのドッペルゲンガーの正体って何だったんだ?」


「ドッペルゲンガーって魂が実体化した物を言うらしいよ」


「それって幽霊って事か?本人が死んだ訳じゃないのに?」


「多分だけど、生き霊だね」


「生き霊って、あの生きてる人が出すっていう霊か?」


「そう。生き霊のできる原因は、その人自身の他人への妬み恨み…まあ色々あるけど簡単に言えば負の感情が生み出す物だよ」


「つー事はアイツらのどちらかの生き霊か?何か雰囲気似てる気がすんだよな」


「僕には複数の人間が集まってできたモノに思えたから、もしかしたら二人共…いや三人か」


「三人?とりあえずあの二人は確定か」


「おそらくね。生き霊を飛ばしている人間はその間、どんなに優しい人でも気が触れたように性格が変わるっていうし」


「じゃあ何であの時消えたんだ?」


「生き霊、浮遊霊。それらは皆、元人間だからね」


「だから何だ?」


「霊体は基本的に人間だった時の記憶が残っていて、長い間霊体になっている者は目の前の壁をすり抜けられる事に気付くけど、まだ霊体になって日が浅い者は人間だった時の癖が残っている」


「つまり?」


「人間だった時が残っているから、目の前のドアは扉を開かないと入れないと思い込んでいるからね。人間が死ぬ様な事はそのまま死んだと受け止めるって事」


「あー、だからアイツ川岸の家には入れなかったのか」


「うん。まだ霊体になって日が浅かったようだから、人間の時の癖がそのまま残っていたんだろうね」


「なるほどなー」



「あ、もう二人共部室来てたんだ、何の話してたの?」


「栞おせーぞ」


「この前のドッペルゲンガーの話をね」


「あの時は怖かったよね…」





「やっほー!カワイイ ウチが来てやったぞ!」


「なんだ川岸、来たのか」


「ええー、駄目?」


「別に?好きにしろよ」


「んふふ! ねえ しおりん、ウチら友達になろ?」


「あれ?私たち、とっくに友達だと思ってたけど」


「! ほんと!? 嬉しい」


「ていうか、そういうのってわざわざ言わなくてもなってるもんだろ」


「…それが普通?」


「普通かは知らねえけど俺はそう思うぞ」


「普通じゃなくてもいいの?」


「つーか、お前よく普通に こだわってるけど

普通って何?どこまでが普通になるんだよ?そんなんどうでもいいわ」


「…そっか、そうだよね。普通じゃなくても良いよね!」


「何言ってっか分からねえけど、いんじゃね?それで川岸が良いと思うなら」


「肇、そういう所だよ」


「は?何が?」


「肇…この人たらし!」


「はあ!?だから何がだよ!」




一の事件【ドッペルゲンガー】【おわり】




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