第4話 家を借りてみた

スズの家に護衛を連れて無事に帰ってこれた、これでひと安心だよな、家の前に警備もしてくれてるし。


ミユがさっきからずっと離してくれないんだけど・・・もしかしてユキにアピールでもしてるのかな?


そんなわけ無いか。


でも、ユキが俯いて居づらそうで可哀想だな


「そういえば料理はどうなったの?」


「え?あ、ちゃんと出来たよ」


「何を作ったの?」


「えっと・・・わたしはサラダを・・」


「え、サラダって俺でも出来るぞ」


「ヒドイ。ユウヤの為に作ったのに」


「悪かったよ。他には?」


「スープを作るためのお湯を沸かしたよ」


「・・・料理じゃなくないか」


「もういい。もぅ」


頬を膨らませて怒っているアピールをしている


「ユキは料理出来るの?」


「高級料理は出来ないけど家庭料理くらいなら出来ますよ」


「スゴいな。」


その時スズが帰ってきた


「今、戻ったよー。物件も見つけてきたよ」


「そんなに早く見つかるものなの?」


「ありがとうございます。」


「これから、見に行くかい?」


「見に行きたいな。」


「うん。行きたいね」


「私も行って良いのかな?」


「うん。一緒に行こう」


「ココから凄い近いよ」


その物件は人通りも多く立地も良くスズの家からもとても近い。


とても近い。目の前だった。


1階は店舗スペースで店の奥には従業員スペースもあり倉庫、トイレもあった。


2階は居住スペースで3部屋あってキッチンとリビングと寝室が2部屋でトイレとお風呂まで付いていた。最高だね


これで月に銀貨30枚安い気がするけど大丈夫なのかな?


「銀貨30枚は安すぎないかな?大丈夫なの?」


「うん。大丈夫さ。わたしの家だから。前に使ってたんだけど店番が苦手でさ・・辞めたんだ。えへ。」


さすがは貴族って感じだな。


「助かるよ。ココに決めたよ。」


バッグから銀貨30枚を渡す


「近いとわたしも仕入れがラクだしね」


スズから鍵を渡されて


「家具とかそのままだから良かったら使ってね」


「それも助かるな。ありがとな」


スズに色々と説明を受けて2階のリビングにソファーがありそこでくつろいだ。


スズが


「部屋割りどうするんだ?一応、各寝室にはベッドが入ってるけど・・・」


とニヤリと笑うスズ


ミユが慌てて


「仕方ないわね。ユウヤこれからも一緒に寝てあげるわよ」


「え?良いのかよ。普通は女子と男子で分かれるもんじゃないの?」


あ、っとした表情をしたが。


「わたしと一緒に寝るのが嫌ならいいわよ。」


と、頬を膨らませるミユ


「嫌じゃないけど・・・」


「嫌じゃなかったら、わたしが良いって言ってるんだから良いの。」


「随分と強引だなミユ」


とスズが笑ってる


「じゃあ、残った部屋にユキの1部屋だな。」


「あ、たまに泊まりに来るからその時は一緒に寝かせてもらうかも」


とスズが言った


泊まりに来るって家は目の前じゃん。


「はい。お願いします」


ユキが返事をして


スズは自分の家に帰っていった。


なんとこの歳で店と家を手に入れてしまって女の子2人と一緒に暮らすと言うことになった。


「じゃあ、とりあえず買い物に行こうか?」


「そうだね。食料も買わないとね」


「わたしはどうしましょう?」


「一緒に暮らすんだから一緒に行こう。」


「ユキちゃんの服も買わないとね」


ユキの服は汚れていて使い込んでいる。


「え?私の服を買ってくれるんですか?」


「良いんじゃないの買ってもらえば」


「わたしが選んであげるよ」


「ありがとうございます。」


買い物に行き食材とユキの服を色々と買ってきた。


買い物帰りにユキはずっと目を潤ませていた


ユキは帰ると少し部屋で休みたいと言うので休んでいるはずだが、心配で様子を見てみると服を大切そうに片付けていて部屋着に着替えようと服を脱ぎ始めたので慌ててドアをそっと閉めた。


ミユに嬉しそうに服を片付けていたよと報告したが・・・


「女の子の部屋を覗いてきたの?最低だよ」


「俺は心配でさ様子を見に行っただけだって」


「可愛いから見に行っただけでしょ。ふん」


「でもさ、明日に少し仕入れに帰らないとじゃない?」


「うん。そうだね・・・」


「ユキにも話さないと心配させるな」


「帰るって言っても半日くらいでしょ?」


「いや。ココに来た時は夕方だったから買い物に行けるのは学校が終わってからだから少し時間が掛かるな」


「そういえばそうだね」


「ユキには悪いけど今から帰るか?」


「それはユキちゃんに悪いよ」


「それか明日の夕方に行くかだな」


「うん。それが良いと思う」


「あと、問題はお金だな」


「うん。どうするの?」


「ミユの兄ちゃんって20歳だったんじゃない?」


「うん。そうだよ。」


「頼めないかな?」


「あ、そっか。親か大人って思ってて忘れてたよ。お兄ちゃんでも良かったんだね。多分だけど大丈夫だと思うよ」


ユキが部屋着に着替えて笑顔で出てきて


「夕食の準備をしても良いですか?」


「手伝うよ」


とミユが言うとサラダとかの話を聞いてたからか


「私だけで大丈夫ですよ。休んでいてください」


「悪いなユキ。ユキしか料理ができる奴いないんだよ。」


「え、酷くないその言い方。わたしも出来るし。」


ユキが笑ってる。


ユウヤとミユがキッチンに行き話をする


「明日さ夕方からミユと商品の仕入れに行くんだけどさ。留守番を頼めるかな?」


「・・・はい。どれくらいでお戻りになるんでしょうか?」


「ん・・・夕方に出て次の日の夕方には帰ってこれると思うよ」


「てっきり1週間とか1ヶ月だと思い心配しました」


「少しの間だけど用心してね。誰が来てもドアを開けたらダメだからね。ユキちゃんは可愛いから」


「はい。分かりました。気を付けます」


「そんな丁寧な喋り方じゃなくて良いのに。」


「そうだぞ。もっと普通に話してよ」


「はい。頑張ります。」


「まぁ徐々にって感じで良いか」


その日は夜遅くまで3人で話をして楽しく過ごした。


朝起きると朝食のいい匂いがしてきた。


隣では可愛い寝顔で寝ているミユがいて抱き付かれていて動けない。胸が当たってる気がするし顔が近いというか顔が当たってますが・・・どうしよう。俺のせいじゃないけど少し動いて起きないかなと試してみるが起きない。


太ももに挟まれているっぽいてを動かしてみる・・・柔らかくて気持ちが良いなと触っていたら起きたようだ。目を覚まして俺は寝てる振りをしている。ビックリはしてるが見つめられている感じがして動けない・・・


頬にキスをされたような気がすると同時に布団からでて着替えているようだ。


まだ寝た振りを続行中である。


着替えが終わって


「ユウヤ朝だよ。いつまで寝てるのよ」


「はぁ~。もう朝か・・・」


「おはよ。」


「おはよー」


リビングに出てユキに挨拶をして


朝食にしては豪華だ。味も良い


さすがはユキだ。


再び夜の続きで話だけで1日が終わり楽しく過ごせた


夕方になってユキに戸締まりと知らない人が来ても相手にしないで無視をするように言っておいた。


これが親の気持ちなんだろうと思う2人だった・・・同じ歳なんだけどね。無事に小高い丘にある小屋に着き学校に戻るすぐに行動を開始する。


ミユに金貨を6枚渡して上手くいけば150万円だ。


ミユのお兄さんはほとんど家に居てバイトを少ししているだけなので明日は1日家にいるみたいだ。


これからミユの家に行ってお兄さんに事情を話した。


お父さんの知り合いに旅行先でのお土産を貰って親には頼めないのでお兄さんに売って欲しいとお願いをしたら3000円で引き受けてくれた。


深く詮索もされなかったし、使い道も聞かれなかった。


何て安上がりな人なんだろう。と思って感謝をする。


次の日の放課後にミユと走ってミユの家に行きお兄さんに156万円で売れたと言われてミユのお小遣いで3000円を払ってお礼を言って、またお願いをすると思いますと伝え買い物にミユと一緒に行く。100円ショップを3件行ってホームセンターとかキャンプ用品店で買い物をした。


食料品でレトルト品、缶詰、飲料とかも買っておいた。


2時間も買い物をしてしまった。と言っても13時30分に学校が終わったので15時で余裕がある荷物は鞄に入っているので忘れ物はない。


向こうの世界に戻ってきた。


仕入れで100万を使いきってきたので結構な量が入っているはずなのに重くないバッグ不思議だ。


走ってユキの待つ家に帰ってきた。わが家である。


最近はこっちに帰ってくると落ち着くようになってきている


家に入るとユキが目を潤ませて駆け寄ってきて


「お帰りなさい」


「待たせてごめんな。」


「寂しかった?ごめんね。」


「仕事ですから仕方ないです。」


夕食を作っていたので笑顔になりキッチンに戻っていったユキ


ミユと店の倉庫で買って来た物を出してみた。


スズに売る物を鞄に入れて食料品は2階へ運ぶその他は倉庫で保管する事にした。


そう言えばミユに立て替えてもらっていた3000円を思い出して1万円を渡そうと思ってミユの方を向くと・・・床に座っているのでパンツが見えてるんだけど。良いものが見れた。


「立て替えてもらってたお金を返しておくよ」


「いいって、ユウヤが持っていてよ」


「また、借りるかもしれないしさ」


「分かった。預かっておくね。」


「今回はミユのお兄さんに感謝だね」


「そうだね。役立って良かったんじゃないかな」


「ユキの方は大丈夫だった?」


「恐い思いはしてなかった?」


「はい。誰も来ませんでしたよ。寂しかったですけど」


「そう言えば店を借りても売る物が無いね」


「スズに全部買い取ってもらえるしね」


「相場が分からないもんね」


「下手に安く売るとスズに迷惑を掛けそうだしな」


「お店はまだ早かったね。」


「ユキにお店をやってもらおうと思ってたんだけどね」


「売る物がなかったら出来ないね」


「ユキには当分料理担当でいてもらうしかないね」


「すみません。」


「何を謝ってるんだよ。謝る事はないだろ。」


「そうだよ。謝らないでよ」


「お役に立てずに・・・」


「十分役に立ってくれてるよ」


「わたしが料理できないから」


「明日はスズに商品を買い取ってもらいに行こうか」


「うん。そうだね。」


ミユがポケットからアクセサリーを出してユキに渡した


「これお土産ね。良かったら付けてね」


ユキがビックリしてどうして良いのか分からない


ミユがネックレスを付けてあげた。


「ありがとうございます。」


「似合ってるよ」


「うん。似合ってるな」


「貰っちゃって良いんですか?」


「ユキちゃんに買って来たんだから受け取ってね」


「大切にします」


また、夜遅くまで3人で話をして過ごした。


 


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