第4話 選択肢

「貴方には、選択肢がある。」


静寂を切り裂くように、澄んだ声が響いた。声は澄んでいるのに、何故か表情は硬い。


「僕に選択肢なんてあるのか。」力が抜けたように言った。


「新たな世界で生きるか、古き世で永劫を彷徨うか。何方か選べます。」


古き世で永劫を彷徨うのは、終わりがない。選択肢だとはとても思えない質問を、彼女は言う。


「新たな世界で生きる。だけど、僕なんかじゃとても役に立てるとは思えない。」


少しの涙とともに、悔しさが滲んだ。

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