第5話 安心

「そんな事、別に気にしなくて良いですよ。」彼女はそう言うと、空中に円を描き始めた。


「綺麗だ。」それしか言えない程の美しさを見せられ、僕は戸惑った。


「無理せず、自分のペースで頑張ってください。私は応援してますから。」少し寂しそうな顔で彼女は笑う。


 思わず僕は、「大丈夫ですか。」と、声をかけてしまった。


「大丈夫ですよ。では、行きます。」異世界への冒険への道が今、開かれる。


 わずかで小さな、悲しみを残して。

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