3帰宅目 普段の恨み

「美味い!!」


千水先輩が作った桜餅を1口食べて僕はそう叫ぶ。


「そう言ってくれると、作ったかいがありましたー」


千水先輩はニコニコしてそう言う。


(というか、本当に和菓子作ってくれたんだなぁ...)


僕はそう思いながら1つまた1つと桜餅を食べると部長が叫んだ。


「...なぁ、私の分も残しておいてくれよ!?」


部長は今椅子に座っている、いや...座らせられている。理由は部長の向かい側にいる好先輩が真剣に部長を見ながら、手に持ってるスケッチブックに絵を描いてるからだ。


「動かないで」


俺に向かって叫んだ部長に好先輩が低い声でそう言った。


「はい...」


(さすがに部長でも先輩には負けるんだなぁ....)


やり取りを見てそんな事を思いながら、今までのやり返し(帰らせてくれない)を思い返しながら、時々机の上にある桜餅を取ってる、先華先輩の方をみる。


「!?」


先華先輩は(ばれた!?)みたいな顔をしていたが最初から気づいていた。俺は優しく「食べていいですよ」と言って桜餅を一つ食べる。


「できたー!」


俺と先華先輩が桜餅を食べ終わる所で好先輩が絵を書き終わったのか大声でそう言った。


「よ、ようやく...桜餅が食べれる...」


そう言ってこっちに来た部長に俺は満面の笑みで...


「あ、桜餅全部食べました!」


と言い放つと、部長はアニメのように膝から崩れ落ちるのだった。少しして俺は倒れた部長を運んで椅子に座らせると、好先輩が描いた絵を見ようと近くに向かうのだった。


「す、すごい...!こんな綺麗にかける物なんですね!」


俺はその絵を見て素直に凄いと思った、髪の毛の所までも綺麗に書かれており、本当に集中して描いてるんだなと思わせる。


「さすがに疲れたねー、しかし久々に描いたのけど訛ってなくてよかった!」


好先輩はそう言いながら背を伸ばと肩から音が結構なった。


「肩もみましょうか?」


その音から結構肩こってるなと思ったらしく、千水先輩がそう言う。


「んー、ならお願い」


好先輩はそう言って腕をおろし、千水先輩は好先輩の肩を揉むのだった。


しばらくして、俺と先華先輩はゲームをしていて今回も負けると、部長が目を覚ました。


「おはようございます」


「ん...おはよう...じゃない!許さんぞキッカ!私の分の桜餅を残さず食べるなんて!」


そう言って部長はこっちに向かって来くるので。


「そもそも帰らせない方が悪いんですからね!」


俺も立って部長にそう言い放った。


「ぐっ...そうだな今回はお互い忘れるということにしようではないか...」


部長は普段から悪いなと思ってたのか、そう言ってさっきまで座っていた席にもどっていった。


「明日部室寄ってすぐ帰りますね」


俺は明日は早く帰れるかなと思いながら、そう言うと、部長はもちろん。


「うん!ダメだ!」


と言ってきた。


(うん!ふざけんな!)


俺は心中でそんな事を思って、時計を見るとそろそろ帰らないといけない時間なので帰る準備を始めると、皆も時計を見て帰る準備を初める。


(...なんで皆さんすぐ帰らないんだ?)


俺はそれを見て心の中でそう思ったが、さすがに人のプライベートを考えるのはどうかな?と思い部室からでて、廊下で皆を待つのだった。


「これでいいな」


今回は苦戦なく部長は鍵を閉めると、俺達は靴箱に向かうのだった。

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