第4話蠢く何か

 いつからか、見えるようになっていた。

 最初にこいつらを見たのは、小学四年生の校外学習の時だった。

 場所は寺のことを調べる授業の名目で、グループで散策していた。

 その寺は広く裏側に墓地があり、噂だと、そこには幽霊が現れると言われていたが、教師含め、みんな子供騙しだと思い、余り気にしていなかった。

 広すぎて、当時の俺は道を迷ってしまい、しばらく歩いていると、縁側のある通路に着き、歩いていると、何か、変な感覚を感じたと同時に突然寒気を感じた。

 さっきまで寒くなければ暑くもない気温だったが、ここに来た瞬間まるで何もなかった場所に突然ポッと霧が現れたような感じだ。

 気のせいかと思って歩き続けていると寒気に何かに後ろから見られてる気配がする。

 気のせいかと思った当時の俺は、そのまま歩いて進んでいっていた。

 前を向いてみると、まだ半分も進んでいない事を確認すると、また少しずつ歩き出す。

 歩き出して、数分今度は後ろから人の気配がする。

 すると、ふと一つの考えが浮かぶ。

 もしかして、俺のグループの人達がイタズラしていて、驚かした後縁側から落とすつもりだなっと思い、声を出そうとしたその時。

 ーーオガネヲヨコセェェェェ

 突然の事だった。

 グループのみんなの声や先生、住職の声じゃなく、この世のものとは思えない声だった。

 その声を聞くたびに、心臓がバクバクし、恐怖で呼吸が速くなる。

 逃げなきゃっと思い足を動かそうとしたが、うまく動かなかった。

 頭では分かってはいるのに実行ができない。

 まるで金縛りになっている状態になっている。

 そうこうしているうちに徐々にこっちに近づいている事を察知し、何とか体を動かそうとしてもピクリともしない。

 そして後ろにいたに俺の肩を触れられた途端勢いよく後ろを振り返ってしまった。

 その顔を見る手前で一気に記憶が飛んでいた。

 なぜか、そのを見た時からの記憶はなく、気がついたら、縁側で眠っていた。

 その後そこの住職に聞いてみると、前からあそこは立ち入り禁止にしていたらしい。

 そのため目立つためお札や立ち入り禁止の札があったらしいが、当時の俺はその札やお札を見ていなかった。

 ここからは考察だが、俺のグループの誰かがその噂かここの存在を知って、僕をここに入れて殺そうとか考えていたのだろう。

 実際終わった後僕が戻ってきた時に、ーー何だよ死んでねぇじゃんっとボソッと行っていたのを聞いていた。 

 ちなみに、なんで立ち入り禁止にしてたかと言うと、何でも昔からあそこには昔餓死しそうになり、金を求め、道端で亡くなった者がこの縁側に住み着いていたらしい。

 捕まったら最後金じゃなく、魂を持っていくと言われていたらしい。

 住職曰く、俺が入ったその次からもう出なくなったらしい。

 今の俺でも、こいつらとは会いたくないと願っていたのだが、まさか学校の通路に現れるとは。


「……」


 その何かは、口が裂けており、両目はなく、闇が続いていた。

 手には鎖を持っており、何かぶつぶつ言いながらただ歩いていた。

 通り抜ける為、息を大きく吸い、手で口を塞ぎ、早歩きで通りすぎる。

 後ろを見て、様子を見ようと思ったが、当然そんな勇気はなく、振り返らず、学校まで進んでいった。

 

「昨日まで、あんな奴いなかったのに……まぁいいか」


 少し歩いていくと、学校につき、正門を通り、玄関に着く。

 もう人はいるのか、続々と人が入っていく。

下駄箱を開けると、外履きからシューズに変え、左側の廊下を進んでいく。

 歩くにつれ、足が重くなり、胃や心臓が自分のいる教室、一年四組に近づく度キリキリし出していく。

 そして目的地に着くと、何かの覚悟を決め、扉の引く部分に触れると同時にゆっくりと引く。


「ッ!」


 引いたと同時に触れた部分に激痛と視界が白くなり、何か腐った匂いが鼻を刺激する。

 

「うわぁクッセェ〜」


 一人の男がそういった瞬間、クラスの人々が一斉に笑い声と罵声が飛んでくる

 よくみると、全身濡れていた。


「おい誰だよ〜あそこに腐った牛乳置いたの〜」

「オメェだろ〜」


 先ほど喋った男がまた口にすると、その隣にいた男が喋り出す。

 このやり口、毎度やられるが、もう何も感じなくなっていた。

 この

 

 

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