第3話友人
しばらく友人達と他愛もない談笑をし、時間が過ぎていく。
いつも五時に起き、校門が開く六時まで開く事がない為時間になるまで、制服を着て、散歩している。
家で待っているのも良かったが、居ても何もする事ないし、外で散歩する事にしていた。
ある時、いつも通り、散歩をしていると、警察に自重聴取をされ、そこから話をしていると、何をとち狂ったのか、家出と勘違いされていた。
そんな時、この二人が偶然通りかかり、助けてくれた。
それから毎日この時間帯にこの公園で会っている。
正直、この二人がいるから生きていける。
どんなに辛くても、どんなに息苦しくても、この二人がいれば。
ふと、携帯をみると、六時になっていた。
「あ、そろそろ時間だ……二人ともありがとう」
「別にいいってことよ〜早起きは三文の徳って言うだろ?」
そう洋介が言い放つ。
どうやら僕はその三文の徳の一部に入っているみたいで少し安心する自分がいた。
「ほら、そろそろ移動するよ」
洋介と話していると、道路側から声がすると、そこにはもう移動しようとしている一樹の姿があった。
流石の速さ、俺でさえ見逃していた。
洋介も同じ反応なのか、顔に出ており、「早!」っと言っていた。
「まぁね……散歩したかったし」
ある意味、一樹は自由だなっと思い、洋介と顔を見合わせ少し微笑む。
置いていた鞄を背負うと、三人と歩き出す。
公園から約十分、歩いていると、少し遠くに学校の校舎の一部が見え始めていた。
そこからもう少し進むと十字路に来ると、一樹と洋介は左側に行く。
「じゃっ、俺らはこっちだからまた明日な〜」
そう言うと、「またね〜しかっち〜」っと一樹が手をふり、洋介も手を振りながら、歩き出す。
洋介達が見えなくなるまで手をふり、見えなくなると、手を振るのをやめ、自分の学校の道へと歩いていく。
洋介と一樹は別の学校の生徒で、少し遠回りをして一緒に登校してくれている。
正直、あの二人といると、落ち着く。
この幸せな時間を守りたい。
だから彼らには、僕の秘密を教えたくない。
知れば……嫌われてしまうかも。
そう考えていると、前から嫌な気配がし、少し前を向くと、その原因が判明し、目を逸らす。
「ァァァァァ」
耳をつんざく奇声、ここからでも分かる嫌な気配。
一瞬で分かる見たら終わり。
一歩一歩近づくたび、声がよく聞こえ、謎の寒気を覚える。
「ゴゴガラダジデェェ」
声が聞こえた瞬間動きを止め、まっすぐ前を向くと、そこには至って普通の人の見た目だ。
だが所々が負傷しており、足は明後日の方向に曲がり、腕は骨が見えており、腹から内臓が飛び出ており、血が大量に流れている。
首は真逆に曲がっており、こちらをずっと見ている。
いつもここで出会うこの幽霊……まだ成仏してなかったのか。
そう、僕の体質というか呪いの一つ。
人には見えない物が見えてしまう事だ。
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