第27話 酒池肉林

「レジストお兄様。いちゃいちゃしよ」ギュー


俺に無邪気に抱きついてくるフレイ


「まーちゃんをこれでたたいてください。

 もっと、ののしってください。

 ごしゅじんさま。」


平常運転なマーガレット


「お兄さん。

 バニラも…ヒック構って…ぅぅ

 寂しくて…うええぇぇぇん!」


そして、泣き出すバニラ


三者三様で俺に甘えてくる三人



「わかったぞ。フレイ」ギュー


「まーちゃん。

 俺は鞭で叩く趣味はないからな。」ポンポン


「よしよし、バニラ。

 寂しくさせてごめんな。

 大丈夫だぞ~。俺がついてるからな」ナデナデ


俺はそんな三人に俺は優しく対応する。

いつもの風景に見えて違和感がある。




なんでこうなったんだっけ?




少し時は巻き戻る。

ーーーーーーーーー

バニラが基地に来てから一週間ほど経った。


「お兄さん。」ギュ

最初は不安そうだったバニラも

大分、この生活に慣れてきたようだ。


「お兄さん。もっと撫でてください。

 …はふぅ。

 お兄さんの手、大きくて気持ちいいです。」

俺たちの関係もすごく良好だ。


だが、少し…


「お兄さん。あーん。

 いい食べっぷりですね。

 ふふ、今度は私にもしてください。」


少しだけ


「お兄さん。抱き締めてください!

 ギューってしましょう。」


ほんの少しだけ


「お兄さん…一緒に眠ってくれませんか///

 一人で寝るのはちょっと寂しくて…」


ほーんの少しだけ距離が近すぎないだろうか?


「お兄さ~ん」スリスリ

今も彼女は俺の胸に顔を擦り付けている。


「やっぱり、気のせいか。」ナデナデ

「…んん。なんれすか。おにぃさん?」クンクン

「なんでもないよ。

 それよりもなんか匂うか?」

「ううん、おにぃさんのいいにおいがする。

 わたし、おにぃさんの匂いしゅき。」スゥハァ

俺の胸元で深呼吸をし始める。

少し胸がくすぐったい。


うん。普通の兄弟関係だな。


「はい!!レジきゅんはバニラちゃんに

甘すぎるとお姉さんたちは思いま~す。」

「そうです。私達にもお恵みを!!」

いちゃもんをいれてくる変態赤青コンビ。

俺ら兄妹の時間を邪魔するな。

 

「そんなことはないだろう。

 普通だよ。普通」ギュー

「そうれすよ。」スーハー

「どう見ても健全な関係ではありません。」

「レジきゅん…寝とられ…」

どうやら、変態コンビには

俺らの関係が健全に見えないらしい。

なんか片方明らかに

言ってることがおかしいがここは無視しよう。


「ですので、今日はこれから

 私たちの相手もしてもらいます。」

「ぐへへ…ハァハァ。4p…ジュルリ」


「えー、やだ。」

めんどくさい。


「ご主人様は絶対にそう言うと思いました。」

「だから、私はこれを用意したわ。」

そう言って二人は小さな小瓶を2つ用意する。


「なんだそれ?」

「これはね。

 精神を子供時代に戻す薬よ。」

「は?」

「だから、これを飲んで私たちも

 ご主人様に可愛がっていただきます。」ゴクリ

「あ!」

俺が止めるよりも先に薬を一気に飲む二人。

飲み終わると途端に黙り込んでしまう。


「ふ、二人とも大丈夫か?」

「「…」」

二人に話しかけても反応はない。

これヤバいのではないか?


「おい、フレイどうしたんだ!」

俺はフレイ両肩を持って揺する。


「…様?」

「フレイ?」

フレイはこちらをじっと見て

なにかを呟いている。


「レジストおにいさまだぁ!!」ギュー

「お、おまえ!何するんだ。」

急に抱きついてくるフレイに俺は驚く。

お兄様っておい。


「フレイ、どうしたんだ?」

「ん?私は大丈夫だよ。おにいさま!」ギュー

穢れのない笑顔で俺に抱きついてくる。

いや、大丈夫じゃないだろ!


『レジきゅん…ハァハァいいお尻…』ギュースリスリ


これがお前だろう。

なのに…


「レジストおにいさま。撫でて~」ギュー


これはおかしいだろ!


まあ、とりあえず

フレイの言っていた薬の効果だろう。


てか、こいつの子供の時代は 

こんな感じだったのか

もっと品のないガキだと思ってたわ。


「レジストおにいさま~」スリスリ

「フレイさん、お兄さんから離れてください」

「いやいや、おにいさまといる~」ブンブン

俺に抱きついているフレイを

必死に剥がそうとしているバニラだが

体格差でそれができない。


「むー」プク

「えへへ。」

俺を取られて怒るバニラと満足しているフレイで反対の表情をしている。

ちょっとかわいいじゃねぇか。

変態フレイの癖に。


クイクイ


「ん?」

急に右手を引っ張られる。


「ごしゅじんさま…///」

そこにはもじもじしながら立っている

マーガレットがそこにいた。


「マーガレット、お前は平気なんだな。」

少し安心した。

これ以上状況をカオスにしないでくれ。


クルッ


「?」

するとマーガレットは


「ごしゅじんさま。

 まーちゃんはわるいこです。

 おしおきしてください。」


お尻を突き出してフリフリ揺らしながら

お願いをしてくる。


「おい、ふざけている場合か?

 いい加減にしろ?雌犬!」


「…?

 めすいぬってなんですか?

 ごしゅじんさま。」


「はっ?」


まさか、こいつ。


「めすいぬ…わかりませんがいわれると

 こころがぽかぽかします。」ブルブル

そう言って小刻み震え出すマーガレット。


変態の片鱗を感じるが間違いない。

こいつも薬が効いている。


「まじか、一体どうすればいいんだ。」

辺りを見渡すが

そもそも変態フレイ

作った薬がなんなのかも分かっていないので

どうしようもない。


「お兄さん…」

「悪いな、バニラ。

 少し待っててくれ今どうにかするから」

バニラに話しかけられるが

とりあえず今はこの事態をどうにかせねば


「うぅ…ひっく」ポロポロ

「どうしたんだ!バニラ」

行動に移そうとすると涙を流すバニラがいて

思わず声をかける。


「だ、だって、お兄さんが…ひぅバニラの

 …ひっく…相手をしてくれないから…

 捨てないでぇ…バニラのこと…ぅぅ

 バニラには…お兄さんしかいないのに…」

俺が二人にかまけているので捨てられたと感じたのだろう。

いつもの可愛い顔はぐしゃぐしゃになっている


「すまない。

 俺はバニラを捨てたりなんかしないぞ。

 お前から離れない限り、

 お兄ちゃんは離れないからな!」ギュー


「離れないです。

バニラはお兄さんから一生離れません!」スリスリ

離れない宣言をして俺に顔を擦り付けるバニラ


いや、兄離れはいつかはしてくれ。

俺としては嫌だけども


「あーばにらちゃんずるい!

 わたしも

 レジストおにいさまにギューする!!」ギュー

「邪魔をしないでください。フレイさん」ギュー

俺を挟んで前後で抱きついている二人。


今さらだけど、お兄様って言うのやめろ。

カレンと被ってるし

変態フレイに言われると

なんかむずむずするわ。


なんかこう、優しくしてあげたいな~

って

危ない危ない!

相手はあの変態フレイ血迷っても

そんなことは…


「レジストおにいさま?」コテン

「フレイどうした?

 なにかあったのか?」

「レジストおにいさますきぃ~」

「俺も好きだぞ!!」

はい、完全に負けました。

完堕ちです。

妹属性には勝てません。


「バニラの方がお兄さんのこと好きです!」

「俺もバニラのこと好きだぞ!」ナデナデ

張り合ってくるバニラ。

おそらく、後でバニラはこの醜態を

後悔して発狂するだろうが

ここは大人しく俺も乗っておこう。


だって、かわいい妹の頼みだらな!

後、一人称が名前になるのかわいいな。


「ごしゅじんさまぁ。まーちゃんは?」クイクイ

そして、俺の手を引いてくる

マーガレット改めまーちゃん。 



あー俺、もういいわ。



「まーちゃんかわいいな!!」ギュー

「ごしゅじんさまぁ!いたいです。」

「あーごめん。強すぎた。」

興奮しすぎて力を入れすぎてしまった。

俺としたことが…


「…はぁはぁ。もっとつよくしてください。

 ごしゅじんさまぁ~」

こいつの本質は

子どもの頃から変わらないようだ。

ある意味、変態フレイよりやばい。


「あー、まーちゃん。

俺はまーちゃんに痛いことしたくないから

これで我慢してくれ。」サスサス

「はわぁ~」ゾクゾク

首を撫でると気持ちよさそうな声を出す。

これで満足して貰おう。


「レジストおにいさま」

「ごしゅじんさま」

「お兄さん」

俺に抱きついて来る三人を抱きしめる。


今日は妹たちに甘えられる最高の日だ!!

なんて素晴らしい日なんだ!!!




… 





1日後、二人の薬が切れたとき

俺は猛烈な後悔に襲われた。



「なにやってんだ!!俺はーーーーー!!」





ーーーーーーーーーー


おまけ


後悔する者


「私はお兄様になんてことを…///」

昨日の自分の行動に顔を真っ赤にするバニラ。


「大丈夫だぞ。バニラは可愛かったぞ。」

「いえ、さすがにあの姿は…」

おにいちゃん的にはグッドでした。

寂しがり屋の妹とか最高だろ。


「一人称が名前になるんだなバニラは。」

「忘れてください!」

真っ赤にして拒否してくるバニラ。

兄としてはもう一度みたいのだが

少々…いやかなり残念だ。


「また今度言ってくれてもいいぞ。

 お兄ちゃんが嬉しくなるぞ!」

「本当…ですか?」

俺が嬉しいと言うと少し嬉しそうに

こっちを見てくるバニラ。


お、いけるか?


「おお、もちろんだぞ。

いつもより甘えてるバニラもみたいしな」

「…///。

 たまにならやってあげてもいいですよ」スリスリ

「ふふ、バニラはかわいいなぁ」ナデナデ

たまにならか…

そう言いつつも自分の頬を俺の頬に

擦り付けてくる姿は甘えん坊そのものだ。


これなら、近いうちにまた

甘えん坊状態になってくれるだろう。



はは!お兄ちゃんって最高だな!!



「ねぇ、私たちは~?

 レジストお兄様♪」

「そうですよ。

まーちゃんにもっとおしおきしてください!

ご主人様、今度はもっとすごいので!!」

俺が心の中で高笑いをあげていると

悪魔たちの声がした。


「ぐはぁぁあああああああ!!!!」ガハ

「お兄さん!?」

俺はその声に反応して吐血するのだった。




当分、トラウマで

二人を見ただけで吐血するようになりました。





ーーーーーーーーーーーーー

あとがき


投稿する前に見返してて

気が狂ってる回だと思いました。


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