第12話  師弟


とある日の昼下がりのこと

中庭でティータイムが開催されている。


「どうぞ、ご主人様。

 ハーブティーでございます」

「ありがとう。美味しそうね」 

メイド服を着た給仕が入れた紅茶を

美女は美味しそうに飲む。



その所作は美しい。

きっと、育ちがいいのだろう。



モミモミ

「ありがとうござ…ァンって尻を揉ないで!!」

「言葉使いはどうしたのかな?

 ほら、もう一度言ってみて。」

「うっ…」

給仕は美女の横暴に憤慨するが

言葉遣いを指摘され、

苦虫を噛み潰したような顔をする


「申し訳ございません。ご、ご主人様

 お尻を撫でるのはやめてください///」

照れた表情をしながら

上目遣いで話すその表情は

誰が見てもかわいらしくみえる。


「…男の娘メイドサイコォォーーーー!!!」


給仕改めレジストは

変態フレイの奉仕しているのであった。



ーーーーーーーーーーーーーー




事の始まりは数時間前



「よし、今日も組み手だな!」

俺も12歳になり、大分強くなった。

最近では変態フレイへの勝率も4割ほどになってきて成長を感じる。


「レジきゅん。自信満々だね」

「おうとも、最近は

結構勝てるようになってきたからな!!」

「生意気なクソガキ…ゾクゾク」

変態フレイもなんだかんだこの家に残っている。

いつになったら出ていくのだろうか?

多分、俺が声変わりしてないからやつの好み的にセーフなのかもしれない。


「叩きのめしてやるぞ!」

「ハァハァ…ならレジきゅん…賭けをしない?」

「賭け?」 

なんか嫌な予感がする。


「勝った方が負けた方の言うことを聞く。」

「はぁ?やるわけねぇだろ」

こいつには前科(監禁)があるため

そんなものに乗る道理はない。


「勝ったらプレミアムホットケーキ

 買ってきてげようと思ったのに~」

「プレミアムホットケーキってセイバー帝国のだろ?今は無理だろ。」

プレミアムホットケーキはカレンが大好きで

一年前までよく両親が買っていたのだが

ここ一年ぐらいで

2つの国の関係は一気に悪化。

そのせいで国の行き来はほぼ不可能になっているのである。


「どうせ、私はどっちの国にも所属してないから関係ないし。」

「それはそれでどうなんだ?」

こいつマジで得体がしれねぇな。


「で、レジきゅんやるの?」

「ああ。やろう」

リスクなど知るか喜んでやろう。

大天使カレンのためなら、背に腹は変えられん


「あの子のため?」

「そうだよ。お兄ちゃんだからな」

「ふふ、変わらないね。」

最初にあった時から変わらない

俺の信念だからな







で、組み手の結果だけど






「…グヘヘ。レジきゅん今どんな気持ち?

 ねえ、今どんな気持ち?…ハァハァ」


「畜生ぅぅぅう!!

 なんでそんなつえぇんだよ!!」

久しぶりに惨敗した。

相手の力を利用してぶん投げるとか

アリなのかよ!?


「じゃあ…ハァハァ、どうしようか…ハァハァ」

目が血走っていて怖い。


「流石に前みたいなことは辞めてくれ…」

あれだけはマジで勘弁してほしい。

カレンやアリアに抱きつかれるだけで動けなくなるほど身体が敏感になって大変だったし…


「大丈夫…大丈夫…」ガサゴソ

「一番信用できない言葉なんだけどな」

そう言ってなにかを取り出す。


「レジきゅんにはこれを着て

 今日1日言うことを聞いてもらいます!」

「うわー」(白い目)

「ァァン!!その目、こうふんしゅる!」

俺の冷たい視線にメス豚は興奮している。


なぜ俺がこんな視線をしているかというと


変態フレイが取り出したものが

白と黒でデザインされたとウィッグだったからである。


「敗者に言い分はなし。早く行ってきて」

「おー(棒)」

「着替えの手伝いは?」

「いらない」

死んだ目をして俺は着替えに行くのであった。


着替え終わるとそこには


鏡を見ると目つきの悪い

赤髪ツインテールのメイドが目の前にいた。


うん…◯にたくなる。

無駄に似合ってるから余計に…


「あぁん!!レジきゅんかわいいよーー!!」

「おい、やめろくっつくな」

戻ってくると同時に

俺に抱きつき頬擦りしてくる変態フレイ


「ご主人様への言葉遣いが駄目ね。

 止めてほしいならなら丁寧に言って」


「うっ…

 抱きつくのは止めてください。ご主人様。」


ギュー

抱きつく強さが強くなる。

「ゾクゾク…。

幼児退行したレジきゅんを思い出すわ…ハァハァ」

「いや、離れろよ!!」

こいつまじで歪んでいるわ

俺なんかにこんなことして楽しいのか?


こんな感じで変態フレイの悪ノリは続く


「ねぇ、肩を揉んでくれないかしら」

「かしこまりました。」

「ァァン…クソガキをいいようにするの…イイ」

ビクンビクンしながら肩を揉まれている変態。

肩を外したくなるほど気持ち悪い


「ご主人様…ァン、首を撫でるのは…ンン!?」

「フヘヘ…かわいい声で鳴くねハァハァ

 次はお団子頭にしよか…ゲヘヘ」

俺の髪型を弄りながら、首や耳を触ってくる。

見た目は美女の癖に中身はセクハラオヤジだ。




ギュー 

スーハースーハー


「ァァン…レジきゅん抱き心地いいわぁ

スーハー匂いも一生嗅いでいたい。」

「か、嗅がないでください///」

抱きつきながら臭いを嗅がれる。

変態フレイからもいい匂いがして

変な気持ちになる。


「よいではないかスゥハァ… 

 よいではないかモミモミ…」

「お尻、揉まないで…ぁん!!」

拒否すると逆に興奮するらしく

お尻を揉みし抱かれる。  



最悪だ。







俺のことを少し抱きしめた後、

俺を解放して変態フレイは少し離れる。






「レジストくん…」

クィ

急に真剣な声で名前を呼ばれたと思ったら

彼女は俺のアゴを持ち上げる。


「ご主人さま?」

「今はフレイと呼んで。、」 

「フレイ?どうしたんだ。」

「私は君のことが好きだ。

 だから、受け入れて欲しい。」

「な、なにを!?」

彼女は目を閉じて俺の方に顔を近づけてくる。




黒いローブ

赤い髪の毛

整った顔立ち



俺の視線は

そんな彼女のぷるんと形のいい唇に目がいく。

思わず吸い付きたくなるような魅力がある。



キスって気持ちがいいのかな?



そう思いながら 





バコーン!!


俺は思い切り頭を叩いた。


「いったーい!?

何するの~レジきゅん!!」


「何するのはこっちの台詞だ! 

なにどさくさに紛れて 

キスしようとしてるんだよ!!」


「えー、いい雰囲気だったじゃん。

ちゅっちゅっできる空気だったよ。」


「そんな空気はねえよ。

 お前が勝手に発情しただけだ。」

彼女はぶぅぶぅ文句を言っている。



危なかった… 


俺は今何をしようとした?


空気に呑まれそうになっていた。

なぜか分からないが

フレイがようには見えなかった。

だから、受け入れそうになってしまった。


「レジきゅん?」

「あ、ああ。悪い。

 考え事をしてたわ。」

「いいよ。紅茶淹れてもらってもいい?」

「いいぞ。」

彼女のためにお茶を淹れる。

俺の淹れた紅茶を

上品に飲む彼女を見ながら思った。



彼女はゲームで名前のないキャラ



だけど、

設定的には物語に介入してもおかしくない



なら



なぜいないのか?



おそらく、彼女は近いうちに…



暗い気持ちになり、

彼女の顔を見ると

紅茶を飲みながら幸せそうにしている。


先ほどのキスの表情を思い出す。




あんな表情も出来るんだな




何も知らない彼女のことを

少しは知れたような気がした。




ーーーーーーーーーーーーーー

おまけ


プ?????


フ?イ


?  ??歳


好?なも?の

レ?ス?

??????



        error






   彼女のデータは存在しません。 






ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おねショタ物でショタに主導権を握らせる

展開は個人的にはナシよりのナシです。

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