第6話 許嫁
2年が経過した。
最初は死ぬほど嫌だったが
カレンという大天使の生まれ変わりのおかけで耐えることができた。
最近では組み手でも一本取れるようになった
し
なんやかんや成長していることに喜びを感じた。
「にぃさまぁ~撫でて」
「お~カレンの頭は撫で心地いいなぁ。」
兄弟で仲良くお昼寝の時間だ。
今日は組み手でぶちのめしたから
「レジスト様、アリア様がお見えになられました。」
「あー、いいぞ
ここにつれてきてくれ。」
「もう、来ていますよ。レジスト様」
「おーアリア。3日ぶりだな。」
かわいらしいフリフリのドレスを
着たお嬢様が俺のそばにきていた。
この子の名前はアリア・ウィーズベンジ
俺の許嫁にあたる。
髪の毛は白髪で羊みたいにもこもこした
髪型をしていて触り心地は最高だ。
急に許嫁関係となったが仲は良好でよく
ここに遊びにきている。
カレンにも危害を加えない優しい子で
俺として文句の一もつない。
「またカレン様を膝に乗せてお昼寝しているのですか?」
「カレンがよく眠れるって言うから」
「にぃさまのお膝気持ちいい。むにゃむにゃ」
むにゃむにゃとか寝言言っちゃうとか。
天使か??いや、うちの妹だった。
大天使だったわ~失礼したわ~
カレンの頭を撫でてると
「カレン様ばかりズルいです。
私にも構ってください!」
アリアがほっぺを膨らませて怒ってくる。
カレンを起こさないように小声で話しかけてくる辺り六歳のわりにできた子だ。
「でも、今立てないからなぁ。
出来ることと言っても…」
出来ることを考えているとアリアは僕のとなりに座る。
「では、私の頭も撫でて貰えませんか?」
「お安いご用だ。」
モフモフ
アリアの頭を撫でる度モフモフと音がなる。
撫で心地がいいのでついつい撫ですぎる。
「気持ちいい…もっとぉ」
「甘え上手だな。アリアは」
モフモフ
「耳も…触ってください。」
「耳か。いいぞ~
アリア耳触られるの好きだもんな。」
独特な注文だがアリアはそれが好きらしい。
出来るだけソフトタッチで耳を触る。
サス
ビクッ
「…ァン」
サスサス
ビクビク
「…ァアン」
サスサスサス
「…ぁぁん!!」
ビクビクビク
身体をはねらせるアリア。
いや?大丈夫かこれ?
流石に心配になる。
「おい?大丈夫かアリア?」
「大丈夫です。レジスト様…
それよりもこれから毎日、私の頭を撫でて貰えませんか?」
目から涙を流し、顔が紅潮している。
「おい?風邪でも引いたか?」
「答えてください。レジスト様」
アリアの質問に真面目に考える。
毎日か~
毎日一緒にいるのはカレンだけだからな~
カレンじゃないと無理だな!
「妹だったらいいよ。」
「え?」
「妹だったら毎日一緒にいれるからな。」
「???」
アリアの頭の上に大量?が乗っている。
アリアはできた子どもであるが
所詮は六歳まだまだ子供だ。
ふ、大人の世界に踏み込むには早いぜ
「残念だが諦めてくれ。」
流石に諦めるだろうと思い
断りの意を入れる。
「…っ。」
アリアが僕の服を掴んでくる。
「どうした?」
じっとこちらを見てくる。
そして、アリアは口を開いた。
「アリアの頭撫でて…お兄ちゃん////」
ドーン
ドーンドーン
ドーンドーンドドーン
その時、俺の中にビッグバンが起きた。。
今まで俺は大天使であるカレンに
俺に対してお兄様呼びをされてきた。
しかし、アリアはなんと言ったのだろうか?
アリアの頭撫でて…お兄ちゃん////
お兄ちゃん
お兄ちゃん!
お兄ちゃん!!!!!
お兄ちゃん!!!!!!!!!!!
バチン
お兄ちゃんって最高だな
俺のなにかでナニかが弾けた。
モフモフ
「わぁ、どうしましたの?レジスト様?」
「違うぞ!
お兄ちゃんだ。アリア」
「…ん。きもちいいよぉ~
お兄ちゃん////」
そう俺はお兄ちゃんだ!
お兄ちゃんと言ってくるということは
アリアは妹!
つまり、アリアは俺の妹だ!!!
モフモフ
「ハァハァ…もうちょっと…ハァハァ…優しく。
お兄ちゃん////」
「はは、妹がおねだりするから
お兄ちゃん張り切っちゃった。」
「いいよぉ…強くてもハァ…
お兄ちゃんなら…ハァハァ」
「優しいなぁ~アリアは」
そう言いつつ手に頭を
押し付けてくる
あぁ、かわいいぞ
お兄ちゃん頑張ちゃうぞ!
サラサラ
「耳は…ビク刺激が…ビク」
「止めようか?」
「や、やめないで。お兄ちゃん!
もっとアリアの耳を撫でて////」
「はっはっは、いいぞ。
アリアもっと俺に甘えるんだ。」
身体をビクビクさせながら甘えてくるかわいい
かわいい
素晴らしい
一生続けたい
ビクンビクン
「激しすぎるよ…お兄ちゃん///」
撫でられ疲れたのか
ぐったりし始めるアリア
そんなアリアを抱きしめながら俺は思った。
やっぱり、妹って最高だな!!
ーーーーーーーーーーーーーー
おまけ
二人の出会い
私はウィーズベンジ家の長女として生まれた。
同年代の子供は苦手だった。
だって、私の髪型を見て羊女だとか言って
バカにしてきたり引っ張られることもあった。
そんなこともあり私はこの髪が嫌いだった。
ある時、ヴィレッチ家のお茶会に呼ばれた。
そこの長男は悪ガキで危ないと言われていて、
私はまた髪でいじられるのではないかと恐怖を抱いていた。
しかし、彼は主催の家の長男であるのにも関わらずお茶会に出てこなかった。
私はそのこと少し安心したのだった
「羊女だ!」
「変な髪~」
結局、私は他の子供たちにやはり髪の毛をいじられた。
泣きながら、中庭の方に行き泣きじゃくっていた。
どうして私がこんな目に…
「だいじょうぶ?」
かわいらしい女の子の声がした。
そちらを振り向くと赤髪の女の子と
同じく赤髪の男の子がいた。
「にぃさまぁ~」
「どうしたんだ?カレン。」
「ないてる。」
女の子が私の方を指差す。
「わ、わたしは…」
「マジか!
君、大丈夫かい?」
そう言って男の子はハンカチを渡してくれた。
「あ、ありがとうございます。」
「いいっていいって。
お手柄だぞ!カレン。
流石、大天使だ!」
「えへへ」
男の子は破顔しながら女の子の髪の毛を撫でている。
女の子の方はとても幸せそうな顔をしている。
「…いいなぁ」
「君も撫でられたいのかい?」
「いえ、わたしは…」
「遠慮しない。遠慮しない。」
彼の手が私の頭に伸びてくる。
変な髪~
駄目、またいじめられる。
モフモフ
「ふぇ?」
「撫で心地いいなぁ。
まるでわたあめみたいで気持ちいいな?」
彼の手が優しく私の頭を包み込む。
割れ物を扱うように丁寧に…
モフモフ
「ぁあ…ぁあ」
「いや、これ癖になるわ。」
気持ちいい。
撫でられるってこんなに気持ちいいんだ。
身体中がぬくもりに包まれていく。
「にぃさま!カレンも!」
「おう、任せとけ」
「…ぁ」
私の頭から手が離れ、
女の子の方に行ってしまう。
身体から温もりが消えていく。
寂しい
冷たい
離れたくない
「お?どうしたんだ。」
私の手は勝手に彼の腕を掴んでいた。
「撫でるの…やめないでください///」
私はすごく言っている気がしましたが
あの感覚を離したくなかった
それほど必死だった。、
「わかった!
二人まとめてお兄ちゃんに任せてくれ!」
意味は分かりませんが親指を立てて笑った。
その笑顔が輝いて見える。
ほぅ
身体がぽかぽかしてきた気がする。
「じゃあ、行くぞ!カレン…あれ?
そういえば、名前聞いてなかったな」
「私の名前はアリア・ウィーズベンジです。」
「そうか~アリアかいい名前だな!!」
「ありあ~」
少年は笑顔で私の名前を誉めてくれる。
そのことがとても嬉しい。
ほぅ
またです
また胸がポカポカしてくる。
「俺の名前はレジスト・ヴィレッチ
この大天使は俺の妹のカレンだ。よろしくな」
「よろしな~」
この人が悪ガキと噂のレジスト様。
噂とは全然違う人
いや、噂の方が嘘なのだろう。
だって
「よし!カレン、アリア
撫でさせて貰うぞ!!」
「はい!」
「おー」
だって
「これぐらいの強さでいいか?」
フワフワ
「キモチイイ…いいですぅ。」
サラサラ
「にぃさまぁしゅきぃ」
だって
モフモフ
「もっと!もっと!なでで」
サラサラ
「むにゃむにゃ」
「ハイハイ、甘えん坊だな~アリア
カレンは寝ちまったから膝枕してやらんと」
レジスト様は
ビクンビクン
「きもちぃれす…れじすとさまぁしゅきぃ」
「すやぁ」
「アリアはかわいいなぁ。
いいぞ~気が済むまで甘えてこい
俺が甘やかしてやる!!」
こんなに優しい方ですもの
ーーーーーーーーーーーーーー
モフモフの髪の毛の子ってなんか撫でてみたい。
そんな作者の願望から生まれた回でした。
これぐらいソフトなのが作者は一番好きです。
次回は明日の朝の6時です。
これから毎日朝の6時に投稿する予定ですのでよろしくお願いします。
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