第2話 ライバルキャラ
「あぁーーーーーーーーーーーーー!!」
俺は自室で叫びに叫びまくっていた。
そのせいで少し部屋のなかも荒れている。
「どうして、俺はやべえやつなんだよ。
なんだよ。
あのしゃべり方マジでやばいやつじゃん
こんなの周りに知られたらおしまいだ!」
頭を抱えて絶望する俺。
てか、前世って言ってもゲームの世界と似てるってことしか分からない。
「たしか、レジストクエストだったはず」
無理やり思い出す。
レジストクエスト
名前は正統派に見せかけた。
妹好きのためのゲームだ。
しかも、18禁。
そもそも名前のレジストだってアナグラムで並び替えるとシスターだし。
どんだけ妹すきなんだよ。
とりあえず、名前からして俺が主人公なのだろうか?
たしか、主人公は金髪のだったはず。
ん?
待てよ。
部屋の中にある鏡で自分の髪を見る。
そこに写っていたのは赤い髪の目付きの悪い少年。
あ
ああ
あああ
「あああああああああああああああああああ」
なんで俺がライバルキャラなんだよ!!
こいつどのルートでもひどい目に会うことで有名なんだぞ!
あーダメだ。
やる気でねえなんで
俺がこんな目に会うんだよ…
あ、
ゲーム知識あるならなんとかなるんじゃね?
よし!
必死に思い出そうとする。
だが、いくら思い出そうとしてもゲームがどういうものだったのか思い出すことはできない。
その代わり、赤い髪の少女が酷い目に会うシーンと金髪の少女が金髪の男と致しているシーンは多く出てくる。
勘弁してくれ
役にたたない情報を引き出した結果
結論が出る
地の果てまで逃げよう!!
「俺は逃げるぞ!!こんなとこいらんねぇ」
俺が逃げ出そうとしたとき
先ほど頭に浮かんだ女の子のことを思い出す。
あの子、俺の妹じゃん
あんなにかわいいのにこれから酷い目に会うのか?
先ほど思い出したもの。
魔物に襲われてーーー
自国の兵士に裏切られーーー
敵国に捕まり兵士たちにーーー
街の男たちのーーー
こんなのばっかりでろくなものがない
極めつけは
「ちゅっ…お兄さま…ちゅっ…愛してます。」
「ふふ、かわいいよ。僕のカレン」
「お兄様、かっこいいですわ…ちゅっ」
カレンが金髪の男とキスをしているシーン
これだけは謎にムービーで流れてきやがった。
金髪の男は主人公。
これはつまり寝取られということだろう。
裏ではカレンを拷問で心と体を傷つけるよう指示して
表ではカレンの
キズを治療したり優しい言葉をかける。
次第にカレンは心を開いてあのムービーだ。
アメと鞭でカレンを洗脳していく。
マジでたちが悪い。
てか、主人公なのにこれはやばいだろ。
さっき、スチールを回想する。
やはり、主人公に寝取られエンドぐらいしか
まともな最後がない。
母親の部屋にカレンを見に行く。
かわいらしい寝顔だ。
家族か…
精神だけ転生してきて過去の記憶もない俺。
そんな俺にも一応彼女たちとの血の繋がりはある。
……よし!!
お兄ちゃんが
かわいい妹のために頑張りますか。
こんなかわいい寝顔をした妹の未来を
あんな悲惨な未来にするわけにはいかないもんな。
そして、最後は妹の結婚式に出て
泣きながら見送りたいし!
じゃあ、いくぜ!
そう言って俺は屋敷の外に駆け出していった。
とりあえず、なにすればいいんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます