030 キルクス
「この
「……いいや、至ってふつうだと思うが」
「ブレイクさんも、いかにも現代人っぽいコスチュームですよね」
「ああ、そうだな(これは俺の私服だ……とは、まだ言わないほうがいいか?)」
キリッとした顔つきの少年は、意外とハキハキしゃべる。実年齢より、見た目が幼いキャラクターを使用しているのだろうか。……どこから来たのか
……なるほど。それで
俺の名前に反応したのか
とにかく、
仲間に誘ってみよう
道具屋からNPCらしき客がドヤドヤと出てくると、俺とキルクスは扉の前をあけ、少し離れた場所に設置されているベンチへ並んで腰かけた。親子ほどの年齢差がある俺たちだが、キルクスは魔法が使えるキャラクターにつき、俺としては[仲間のきずな]を使いたいところだ。なにせ、このリージョンは戦士タイプが多い。周囲をうろつくキャラクターは、男女共に体格が良く、剣や斧を装備している。慎重派の俺は、攻撃力より防御力を重視する傾向にある。一撃必殺の
「なあ、キルクス。今後の予定は決まっているのか?」
「はい。勇者イベントは
「へえ、それならゴールドコインも貯まりそうだな。……よし、キルクス。俺といっしょに行動しないか? ここへくる前、貴重品の[仲間のきずな]を入手したんだ。こいつを使えば、ふたりでダンジョン攻略が可能になる」
デニムのポケットから指輪を取りだすと、少年はふしぎそうにのぞき込んできた。サイズが合うかどうか
「もし、俺と組みたくなきゃ、はっきり断ってくれていいぞ」
「え? ち、ちがいます。ぼくは、そんなことありません!」
即座に否定され、内心ホッとした。しかし、キルクスの表情は
✓つづく
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