015 コスチューム②
リージョンマスターの俺に、プレイヤーのほうから[勇者イベント]について質問しても、とくに問題はない。俺が余分な情報を提供しなければいいだけだ。……少し、罪悪感を
『ファーレンは、勇者になりたいのか』
『もちろん! オレの
例によって、バグが
起こらなければの話
……いかん、
『ファーレン、俺についてこい』
『ブレイク?』
『勇者になれる必須条件は、人助けだ。なにも、世界規模の危機を救う必要はない。ちょうど、近くの村でドロニュルの襲撃騒ぎがあった。いっしょに行こうぜ』
『そりゃ大変だ。すぐ行こう』
よし、うまく乗ってきた。これで勇者イベント突入だ。……いや、ちょっと待て。
『おい、ファーレン』
『なに』
『お供は、いったん
『サルッチ、トリッチ、イヌッチのことか?』
『あ? ……ああ。その三匹のことだ』
一瞬、引いたが、
なんて、案内に気を取られていると、ファーレンが貴重品を変更していた。しかも、見た目のグラフィックが大胆なやつで、俺(本体)は反射的に「げっ」と、声にでた。
なんで今、
『どう? 似合ってる? これも和国のリージョンでゲットしたんだ。男らしく見えるっスか? オレ、ずっと巻いてみたいと思ってたけど、リアルだと恥ずかしくて無理だから、気合を入れてつけてみたぜ!』
否、内心ツッコまずには、いられない。なにを血迷ったのか、ファーレンが装備した貴重品は[伝統下着]だ。これから勇者になろうとしているやつが、
とはいえ、どんな姿になっても勇者イベントのクリアは可能だ。ただし、伝統下着(ふんどし)では
……
✓つづく
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