第47話夜叉王
「……ここは?」
アストロの後を追い、召喚陣に吸い込まれた俺達は見知らぬ場所に立っていた。
そこに広がるのは途方の無い花畑であったのだ。
「気がついたようだな……ベルゼさん」
「オウキか、ここは一体どこなんだ?」
だが、オウキは答えず彼は武器を構えている。
一体何がいるのかと思い俺はオウキが警戒している方に視線を向け思わず身構えてしまう。
「アストロさん……?」
そこには、両腕を潰され大刀です腹を刺し貫かれている。アストロがいたからだ。
ブン!とそのまま彼の体は宙を舞い、俺達がいるところに落下する。グシャっと鈍い音共に叩きつけられた。彼の部品がさらに宙を舞い無残な姿に変わり果ててしまう。
「ベルゼさん…気をつけてください。今目の前にいるのが我々の真の敵です」
「あぁ、そうなんだろうな…しかもかなり魔素が濃い過ぎる。てことは俺の全力が出せるのだがそれでもまず勝てるイメージが湧かない」
まずこの場所に来た時、違和感を感じたのはここの魔素濃度どうやらベルゼのいる魔界と同じぐらいらしいのだがとなると彼が全力の状態で勝てるかどうかわからない彼は一体何者なのか。
「ようやく、来たかまたくたびれていたぞ地上界のものどもよ」
アストロを乱暴に放り投げた奴が俺達をじっくりと観察する。見た目はかなり老練な感じで、特に胸にまである、髭が特徴的で厳格そうな目つきで俺達を睨んでいる。
「まずは貴様らを誉めねばならない。私が作った邪神群達を全て倒したな、これは初めてのことだ、殆どの国や文化は消滅する」
そこで、一呼吸をおく。
「だが、貴様らの国は滅んでいない、異世界の文明が残っているのは珍しい、それで少しは興味が湧き君らがくるのを待ってはいたのだが一人だけ勇足だったようだな」
チラッと俺の横に転がっている、アストロさんを
睨みつける。
「まったく……お前は何も変わってなかったなアストロいや、機界神よまだ本来の力は取り戻せてはいないようだが仕方ない。運がなかっただけだ」
呆れたように動かなくなったアストロに向けて切断されたアストロの腕を投げる。慌ててオウキがキャッチをするが、もしこれが人であった場合は何とも惨い事になっていただろうと思う。
「さて、自己紹介がまだだったな」
やっと俺達に興味を持ったのか静かに立ち上がり彼は大刀を構える。
「私が邪神群を作った夜叉王ハーディアスだ。そしてさよならだ。私は講和を結ぶ気は無い、もし聞きたいので有れば闘いの中で知るがよい!!」
瞬間、踊り狂ったような動きをしながらハーディアスは、俺たちに向けてきた。
「くるぞ!!」
「おう!!」
俺達は魔力を昂らせて、同じように突進をする。
いよいよ最後の決戦がきって落とされた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます