第30話新兵器の開発へ

  「こいつはお前が作った新兵器なのか?あまりにも完成度が高すぎるようなんだが?」


 みるから自分で考えて行動する、ロボットというのか……我ながら初めてみるがここまで精密に動いて喋る奴は見たことが無い。


 「苦節十年弱でなんとか作り出すことに成功したのだ。ワシの最高傑作でな。ありあわせのパーツでなんとかすることができてよかったもんだ。本来ならあと五、六体は欲しかったのだがね。まあの場所が壊されてしまったのは悔やまれてしまうのだがそれは仕方ない。それでもかかってしまうのは数十年もかかってしまってな。」


 ブロギロンを見る目はまるで我が子のような感じなのが伝わるほどに彼の思い入れが伝わってくるようだ。


 「で、この子は一体どんなことができると言うんですか?あなたのことだ、単なる世話ががりにするわけではないですよね?」


 十年間すっぽかされていた恨みからか、オウキが噛み付くように言いながらアストロを睨む。少し、引き気味になりながら彼は説明を始めた。


 「オウキの言う通りこいつを作った理由は新しい新兵器を、つくる為でもある。それと私の新しい身体も作り直さなければならない」


 「それは一体どう言う意味なんですか?」


   「少し説明すると、奴らの行動パターンが変わりつつありそうなんだ。昔はというより、ワシの生きた時代では文明を滅ぼす。それが奴らの目的であり、手当たり次第に建造物、特に高度な技術で作り上げたものを破壊していくという特性があった。その為、ワシは地下に潜り奴等に勝つ為の兵器を作っておった」


 俺達は、数十年前の事を鮮明に覚えていた無論忘れるはずがなかった。俺達が初めて出会った場所思い出の地でもあるからだ。


 (「確かにあの時のアストロは奴等に匹敵する装備を作り上げていた。充分に戦力としてはこれほど頼もしいの筈の彼がそこまで慎重になってしまうのかわからない)」


 思考を、巡らそうとした時にアストロはすぐに口火を切り始める。相変わらず少しも考える時間をくれずに話を始めてしまう。


 「だが、奴等は単純な思考だと思っていたのだがそれが間違いだったとワシは思い知らされたのがワシの遺跡は破壊である」


 「………なるほど、知能の発達つまり奴らも成長するのかも知れませんね。だとするとかなり厄介な事になりそうな」


 オウキは深刻そうな表情でアストロを見つめる。


 「まさしくそれだ。奴等は研究施設を片っ端から潰すつもりかも知れん、自分達を脅かす技術を危険視しているからこそ元を断つために……」


 アストロは話を区切り、ブロギロンが用意した紅茶を一口含んだ。彼もロボットなのだがどちらも人間臭いところもあるし、機械なのに飲んだり食べたりするのだ。

 もしかしたら機械と機界はまったく違う意味なのだろうと俺は思う。


 「もしかしたら、奴等は躍起になっているだろうとな、だがそれは既にワシが思っていた邪神群ではない!最悪ワシの事を調べ上げられているかもしれん。そうなった場合装備を複数用意して奴等に対策されないように、しないと思い今まで作り上げていた」


 「ひとつは近距離、もうひとつは遠距離装備型と作っており、そこからブロギロンなら出番だ。彼を作った理由は試作機として装備させ実践を経験をしそこから実戦に配備していく。だがこれはあくまで人間が装備できるものでは無いが一応は人用にも新しい装備を作っている」


 説明に熱がはいり始めた、アストロは何やら書き始めている。


 「とりあえず第一段階が終わり後は実戦のデータを取るためなのだが、そこまでの相手はいなかったのだが」


 アストロは俺の方を見る。すぐに俺は奴に呼ばれた理由を理解した。


 「なるほど、それで俺にこいつと演習を、するって事だろう?別に俺はある程度回復できた。大丈夫だ」


「そうか、ならば頼むぞ」


 いつのまにか俺達三人に緊張が走る。まさかこんな事になるとはオウキは思ってはいなかったの、だろう。さっきまで怒っていたのが嘘のように慌てていた様子だ。


 かくして俺は試作機と闘う事になってしまった。

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