第23話凱旋からの出禁

  なんとか、勢いに近い形で序列四位の水のセラフを倒すことに成功した俺達は魔王からも感謝の言葉をもらったのと魔王軍からも援軍を出してもらえる事を約束してもらえた。


 彼女等も先程の惨劇を見て考えをあらためたのだろうと思う。とりわけ一番喜んでいたのはオウキで既に気を失っており明日の朝までは起きないだろう。


 その後宴を終えた俺達はアストロの腕を治す為に一旦遺跡に戻ることにした。


 「アストロさん?」


 「なんだ?ベルゼ」


 いつの間にか俺達はかなりフランクな話し方を中にまで発展していた。もしかしたらこの異世界でしか会えないハズだとわかっていてある程度線引きはしていても共に戦った者とはどうしても距離感が近くなってしまうのは仕方ないのかもしれない。


 「結局邪神群の正体はドラゴン、つまり古代竜種でよかったのか?」


 あの宴の後しばらく考えていたがどうにもおかしいと思ってしまう。いきなり変化してドラゴンになるとかあまり聞いた事がないからだ。もちろんアストロの答えは彼が首を横に振るだけでわかった。


 「いや、奴はもしかしたら邪神群を利用したのかもしれない。自分があまり力を、出さないようにする為の拘束具だったのかもしれない。それが今回俺達を、強者として判断したから奴はその拘束具を脱いで俺達に戦いを挑んだのだろう」


 「では、もし残りの三体も同じような奴等の可能性もあるかも知れないと?」


 「可能性としてはあるけど流石にここまでくると何がきてもそうそう驚かないよ」



 そこから俺達はあまり会話をすることなく、アストロの修理はすぐに終わり、そして俺達は少しゆっくりしながら王都に戻り二度目の凱旋を果たすのであった。


 王の間ではオウキが正式に地上界最強の称号と全軍の指揮権を委ねられていた。まだ若い彼に全てを任せるのは些か判断が甘い気がするのだが他所の国の事なのであまり口を出すわけにはいかなかった。



アストロはというと多大なる功績を認められ彼を王の位に即位させた。これによりこの世界では三王が統べる新たな時代へと切り替わったらしい。



 政治面においてはアストロが王を支えながら内政や技術面の向上を、促し人々の生活を豊かにしていった。だがこれはあくまで囮で文明の発展によって襲ってくる邪神群を早く見つける為であったのだ。


 オウキも来る決戦に備えて訓練と対邪神群に対する戦法の伝授を授けているらしい、この戦法などは魔王軍にも伝えあり戦力の増強を、計っているわけなのだ。



  で、俺がこんな事後報告をしている理由は異世界にいる事が母にバレ、速攻で連れ戻されてしまい現在出禁をくらわされている。幸いいつでも異世界に行く事はできるのだが、しばらく落ち着いてからでなければ無理かもしれない。


 

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