第13話機界王の新しい身体探しに

 「早速で悪いのだが、君達にある物を探し出して欲しい」


 アストロは、少し申し訳ない感じで俺達をみてくる。その仕草はまるで人間と同じで彼等の知性が優れている事に驚嘆する、あまり触れてはいなかったが既に彼はこちらの言葉を理解してしまっている。ここまで高度な機械は俺は見た事は無かった。


 「ある物って、一体それは何ですか?そんなに必要な物なんですか?」


 オウキの問いかけにアストロは静かにうなづく。


 「この先に私のスペアの身体があるのだよ、もしもの時にとって置いた奴でね。もし保存用の機械が生きていれば今も新しくアップデートされてより強力な身体になっているだろうと思うよ。私がまともに戦えるようになるのは君達にとっては比較的に良いだろう?」


 確かにそうなると助かると俺達は納得する。ここにきて彼が戦えるようになるのはこの世界にとっては願っても無い話でもある。


 「だが、そこまでに行くには何かしらの奴らがいるのですね。例えば邪神群の群れとかガンプラたくさんいるとかですか?」


 元々慎重な性格であったオウキは探りを入れるようにアストロに伺う。確かに別に今の身体で新しい身体が置いてある場所に向かえば解決する事になるであろうと思う。しかしそうしないのは何か理由があるのだろう。


 「私もすぐに向かいたかったのですが何分この身体は戦闘用ではありません。それに多分私の身体を危険な物として邪神群がいると思います。さらに言うと見立てでは中級の邪神群があると思う、この身体ではまず勝つ事は無理なのでな。だが君達二人がいるならなんとかなると思っているから、頼む!!力を貸してくれ!!」


 両手を合わせて俺達を拝むアストロに対して断ることが出来なかった。そのまま三人でこの遺跡の奥に向かうのであったのだ。


 「改めて見ると次元が違いすぎるな……」


 そこに広がっていたのは、長い通路があり至る所に仕掛けがあるらしくアストロが何回も機械を弄りながら解除していくのを見ているだけしか出来なかった。一応何をしているのか聞いてはみたが何を言っているのかさっぱりであった。



  「そうですね、ここまでの差があるとなんだか凄いとか言うよりこの技術力を持ってしても邪神群には敵わなかったのだと思いますとやはり我々の力では難しいのかもしれませんね」


 一緒にアストロが仕掛けを解除するのを見ながらふとオウキはそんな事を口にした。


 オウキの言ったことが聞こえたのか、アストロはさっきまで忙しなく動かしていた手を止めてしまいこちらに振り返る。機嫌を損ねてしまったのかと思い慌てて謝ろうとする。


 「いや、そうとは限らない。何せ戦闘タイプだったのは私だけであった為に迎撃のタイミングや火力不足で私達は負けてしまったのだ。だが見る限り君達は当時の我が同胞よりかなり強いのだ。その点は自信を持って欲しい」


 なんとも意外な言葉をかけられてこちらも少し驚いてしまうが俺達は形ばかりの礼を言って例の場所にたどり着くのであった。

 

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