第4話いざ魔王と話し合い?あれ?魔王倒すのでは?
少しトラブルなどもあったがなんとか王都の中心である、王宮に入る事ができたベルゼは初めて見る新しい物に少し興奮を隠せずにいたのだ。
(「ここが、城の中か魔界での城はこんな豪華な物は置いてはないそれに沢山の人間が酒を飲んだり談笑をしている。人間は本当に面白いな!!」)
魔界での城は何かの会議などで使われたりするだけの使用しか見た事がない。その為今、ベルゼが見ている物はどれもこれも初めての体験なのだ。
たがこの城にいる貴族である奴等はベルゼの顔はあまり見ようとはしなかった。貴族も同じようにやはり魔族に対する偏見があるようだ。それは街の住人よりも酷いものだった。
だが、そんな彼等でもベルゼの服には気になるらしい。一応ベルゼは魔界の王の息子である、それに今回来ている服は正装でかなり豪華な服なので周りの家族は羨ましそうに見てきているのだ。
「ケッ!、服如きで強さが変わる訳ではないのにな」
翼を折り畳みながら悪態をつく、ベルゼは城の奥に突き進んで行く。早く会いに行きすぐに勇者になりたい衝動にかられていた。
少し長い回廊を抜けるとすでに臣下の列が立ち並んでいた。
(「流石にこんなに並んでいるとは思ってもいなかったな?ひょっとして俺達、魔族の方が人材不足だったりするのかな?」)
魔界では、政治はそこまで複雑で無かった、人間のように相手を貶めたりする事は滅多に無く派閥みたいなものも多少はあったが所詮仲良しグループの延長線みたいな感じであった。
これは魔王の方針で人間の良いシステムは取り入れて悪い所は排除していく方針の結果なのだろう。
あとは魔族は人とは違い実力主義でさっぱりした性格の奴らがほとんどな為あまり根に持つ事なくスムーズに話し合いが進むのと細かくするのはあまり良くないとのことで副官を付けるのはありだがそれ以上は平和な時は新たにつけない決まりになっている、だがあまりにも魔界は平和な為将軍や大臣のなりてが無いのが平和な魔界の悩みどころ。
その為魔界の全ては三人の魔人によって支配されているのだ。それを「魔界三巨頭」と呼ばれているのだが実際その三人しか集まらない為魔王の城はいつも寂しいものだった。
(「この光景、父さんみたら落ち込むだろうな」)
誰もいないような魔界の王の間とは違いここの人間界それも異世界は違っていた、文武百官と呼べるぐらいの人が左右にさらに奥まで続いているのだ。
ベルゼはそのままゆっくりと真っ直ぐ進んで行く、周りの将軍達の顔を見ながら強い奴がいないか吟味していく。
(「何人か強そうな奴がいそうだが、魔界いた、上級魔族の方が強そうだな。やっぱりここの魔族とやり合う方がいいのかもしれないな」)
おもった成果が無く少し落胆している時、ふと誰かと視線が合ってしまう。
(「あの男は確か「戦士長」と言われていた男だなあいつただの兵士の長かなんかだと思っていたが重臣だったのかよ」)
戦士長は俺を見るなら、毅然とした態度をとり静かに頭を下げた。
ベルゼも歩きながら頭を下げる、いきなりのことだった為にやや慌てた感じになってしまう。
(「あれだけの事があったと言うのに睨んだらしてこないとはなぁ、こいつも物好きな奴だったとはなあの戦士長に対して見方をかえなくてはな」)
少しだけ奴に対する警戒は解く事にしたが少しだけ残念に思えてしまうなぜなら。
「少しだけライバル関係みたいなものに憧れがあったんだけどな」
ボソッと俺は呟き奴から視線外しようやく見えてきた王の玉座にたどり着いた。
そこにいたのは勇者の本に出てくるのと同じ姿をした王であった。老齢でしっかり王冠も被っており見事な髭を蓄え威厳のある瞳をしているのだが少し頼りない雰囲気まででいる。
「話はあの男から聞いておるぞ、ベルゼよ其方は勇者になりたいそうだな?」
「はい、私はこの為にここまできたのですから」
俺の答えに王の間はちょっとした混乱が訪れたのだ。無理もない、魔族がいきなり来て勇者になりたいとは普通は言わないからだ。
「ふむ、奴の紹介だから勇者にしてやりたいのだかな……、確か手紙の内容だとそなたあの機械の魔物とやり合ったのだろう?」
「はい、それが何か?」
「いや、近頃その類魔物が現れる事があるのだ。そして人だろうが魔物だろうが無差別に襲いかかるのだよ」
あの機械みたいな魔物が他にもいる事に少しだけ寒気を感じる。確かにあれが一体だけなら本気を出せば余裕だが何十対いるとなると話は変わってきてしまう。
「一応、魔王軍側にも聞いてみたのだが、逆にこちらも疑われてしまってね、それでもしよければ魔族の君に言ってもらいたいのだよ。あぁ、あともうひとつ調査してもらいたい場所があってね」
王は近くの護衛を呼び寄せて命令すると護衛は急いで紙を持ってきて俺に渡してきた。見てみるとそれは地図になっていたのだ。
「そこに書かれているのは、古代機械文明なら遺跡があるところでな。奴等はその付近で出現するらしい、なのでまずこの遺跡の調査と魔王の誤解を解いてもらいにいってほしい、優秀な部下を一人つける、成功した暁には貴殿を勇者として認める。お願いできるか?」
(「多少予定とは違うが勇者になれるなら別にそれでもいいんだが、どうにもな、魔王にとの誤解を解いてほしいとかなんて言うとはな。この世界はあまり魔族に対してあまり良い印象を抱いていないとおもったのだがな」)
少しだけ興味が湧き、王に聞いてみる事にした。
「王よ、あなたは魔王と仲が良いのか?」
「そりゃ、だってワシの嫁さんだからな」
「えっ!?じゃあ……俺を見て避けられていたのは?」
「うむ、それはみんな其方を初めて見るタイプの魔族なのと機械の魔物に対する恐れもあってからかな。まぁ、あいつの誤解が解けたら魔族に対する偏見もなくなるであろうからそれまで耐えてくれ」
王の返答を聞いた瞬間、ベルゼは頭を、抱えてしまうが少しだけ感謝をする。この王は紛れもなく名君であろうとベルゼは確信した。
(「嫁が魔王とか聞いたことが無いがまぁそこは流しておこう。とりあえず罠に嵌めて俺を殺す可能性は無くなったから、とりあえず受けてみるか」)
俺は決心して王のに視線を向ける。
「やります、そのかわり約束は守って下さいよ」
「よし、わかった。では明日には出てもらうのとそれと案内人は戦士長を連れていってもらうこの者はワシの腹心でな今回其方とやり合ったらしいが彼が本気の時につける装備を加えてこの任務にあたってもらう。それでこの任務が終わったらで良いがもう一度こやつとひと勝負してくれ頼む」
「わかりました」
俺は短く答え、後ろに気配を感じ振り向くとそこには先程遠くにいた戦士長がいたのだ。
さっきまでつけていた鎧は脱いでいて素顔を拝む事ができたのだ。その瞳は青く髪は金色に輝いておりまさに勇者になるにふさわしい出立をしているのだ。そんな彼がこちらに手を差し出す。
「私は、この国で戦士長をしているオウキと言います。明日からよろしくお願いしますベルゼ殿」
どうやらこちらに握手を求めている事に気づいたベルゼは慌てて同じように手を差し出す。
「こちらこそよろしく」
(「どうやら、俺にとって相棒一号って事だな。勇者のパーティーに内で信頼できる仲間がいる事があるのだがそれが彼になるのかは少し様子見だがこれで初のパーティーを組んだ事になるんだな!」
心の中はかなりテンションが上がったているがそれがわからないようにベルゼは平然としながら彼の手を握る。
そして俺達は、握手を交わした。ようやくこれで勇者にはなれなかったが勇者になる為の試練が今から始まるのであったのだ。
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