旅行先で食べたローソンの唐揚げ
ながくらさゆき
江ノ電とは江ノ島電鉄のことである
さゆきです。珍しく遠出してきた話です。とは言っても6年くらい前のことなので記憶が間違っていたり、今は当時とは違うこともあるかもしれません。
神奈川に住む友人にLINEで聞いてみました。
「由比ヶ浜行ったことある?」
「ないんだよね〜」
「じゃあ、一緒に行こう!」
私達の目的は由比ヶ浜の海岸から江ノ島を見ることです。
JR藤沢駅で待ち合わせです。私の住む埼玉からは電車で約2時間かかりました。遠い! 途中、初めて見る電車があってかっこよかったのでスマホで写真撮りました。
改札で待ち合わせです。わらび餅屋がありました。作ってるところを子供のようにじーっと見ていたら店員のおじさんが1つ試食させてくれました。美味しかったです。そこへ友人が、久しぶり! と私を見つけてくれました。そのままわらび餅は買いませんでした。試食させてくれたのに買わなくてすみません、おじさん。
友人の案内で江ノ電の藤沢駅に向かいます。初めて使う鉄道は切符売り場もホームも列車も見たことない形だったので新鮮な気持ちでした。デザインがレトロでした。私達が乗った列車は古くからあるようで、座った時に手をかけるところが木でできてました。今、調べてみたら床も木だそうです。
この日は「きのこの山とたけのこの里」のラッピング列車も見ました。
江ノ島駅で降りた時にお土産屋さんがありました。狭かったです。こんぺいとうが紫陽花のように丸く包装されて売っていました。可愛かったです。欲しかったのですが、この先のお土産屋でも売ってるだろう、荷物が増えたらイヤだと買いませんでした。
しかし、このあじさい金平糖はここにしか売ってませんでした。
海岸に行きました。途中オシャレな白い壁のお店があって、ここはスペイン? ヨーロッパ? と思いました。
江ノ島には行かず、浜辺に行きました。何年ぶりの浜辺でしょう。おそらく中学生の時の家族旅行以来です。20年ぶりでした。
「日焼け止めクリームの匂いがする〜」と思っていましたが、磯の香りだったみたいです。
海の写真を撮りましたが、海と一緒にサーファーのお兄さんが撮れてしまいます。いないところを探せばいいのにせっかちなのでその場で撮ってしまいました。
3月のお彼岸頃でした。まだ肌寒いのに波乗りしてるサーファーがチラホラいました。
波ギリギリのところに立って写真を撮ったり砂浜に文字やハートを描いてる女子達がいました。波が足元に来てしまって「キャー」とか言ってるのを「うるせえな」と思っていましたが、私も波で靴が濡れて「ギャ〜〜!!」と叫んでいました。私も彼女らも海辺を楽しむ観光客です。
友人と鎌倉高校前駅に行きました。この駅の隣の踏切はアニメ・スラムダンクのオープニングに出てくる踏切で有名です。踏切の向こう側に主人公・桜木花道の憧れの晴子さんがキラキラ光る海を背景に笑顔で手を振ってくれます。海が一望できて綺麗なところです。
しかしいくら有名でも現役の踏切です。地元の人は普通に通りたい踏切なんです。観光客でごった返してましたが、車の交通量が多く危険です。車が通ってるのにお構いなしに写真を撮り続ける人々。アジア人観光客が多かったです。外国人は堂々とポーズを取る人が多く、晴子さんのように手を振ったりしていました。
私も友人もそんな恥ずかしいことできないので踏切と電車の写真を撮りました。オープニングの「君が好きだと叫びたい」を歌っていたら目の前の外国人が振り向いてくれました。
せっかく藤沢から由比ヶ浜そして鎌倉に行ったのに私が食べたのはローソンの唐揚げのみでした。
インスタでよく見かけるしらす丼や抹茶のスウィーツを食べたかったのですが、金欠でした。
この辺りは鳶(とんび)がいます。音楽の授業で歌った「とーべとーべーとーんびー」の鳶がいます。外で物を食べると鳶がかっさらっていきます。なのでここで食べるなと注意書きの看板があります。それなのに「キャー」と声がします。海岸で何か食べようとした女子が鳶に食べ物を取られたようです。
フッ、看板読んでなかったのかしら、私はネットで調べまくってきたからちゃんと知ってるわ。
フッ、バカめ。と心の中で笑ってました。
お腹がすいたので友達とローソンに行きました。飲み物とカップに入った唐揚げを買いました。店員さんがビニール袋をキュッと結んでくれました。
イートインコーナーはありませんでした。外に出ました。そこは海岸から少し離れていました。
「ねえ、ここで食べたら危ないよね? 鳶に取られちゃうかな」と友人に聞きました。
「大丈夫じゃない? お腹すいたから食べようよ」
「そうだよね」
ビニール袋を開け、爪楊枝で唐揚げを刺し、口に運ぼうとしたその時―
「キャーーーーー!!」
鳶が私の唐揚げをかっさらって行きました。地面に落ちるビニール袋。
鳶は唐揚げを1つ奪い取って逃げました。
私は地面に落ちた残り2つの唐揚げが入ったビニール袋を拾いました。ビニール袋をキュッと締めて走り出しました。仲間の鳶達が何羽も上空を飛び回っているのです。友人に「待って〜」と言われながら「ウワー」と走る私。すげえみっともない。あんなにネットで調べたのに。
でもいいんです。観光客なんで。良い思い出です。残り2つの唐揚げは美味しかったです。
おわり
旅行先で食べたローソンの唐揚げ ながくらさゆき @sayuki-sayuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます