第18話 煌ちゃん、カフェインでキマってます。
「きょんちゃん、、そして郁美ちゃんっ!私、今日生まれて初めてコーラを飲んだの!ハンバーガーもポテトも!!」
「ん?あ、え、そうなんだ。それは変わってるね。」
「私たちは結構食べてるよね。」
突拍子もない煌冷香のカミングアウトだったが、煌冷香は悟りを開いていた。面を食らっている2人に、続けて語り始める煌冷香。
「きょんちゃん。郁美ちゃんも聞いてください。・・・私、小学校の頃、世間知らずな私にきょんちゃんが色々世間を教えてくれたこと、とても感謝しています。」
「え、う、うん。でも煌ちゃんはかなり改善してたよね。」
「ありがとう。・・・でもね、私は中学に上がってやっと電車に1人で乗れるようになったし、今日初めてハンバーガーも食べた。伸びしろがあるのはわかってる。だけど、世の中にはまだ私の知らないことが沢山あるのだと、、今日2人を見てわかったの。」
「ふんふん。なんかすごい話っぽいけど。で?」
「私、、私、、女の人が好きみたいっ!!」
「ほ、ほう!そうきましたか!えっと、好きな人がいるの?」
「いいえ。残念ながら、今気づいたので好きな人はいません。・・・ただ、今までの記憶をたどると、私は女性にしか興味がなかったかもしれません!!」
「おお、、まだ曖昧ってことだね?」
「いえ、お二人を見て確信しました。お願いです、師匠!お二人から恋を学びたく思います!!どうか、私に一般的な恋を!女性同士の恋のノウハウを伝授してくださいませ!!」
「ええ、、人に恋を教えるなんて私たちには難しいよ、、ねぇ?」
煌冷香と恭子の話を聞いて、郁美が煌冷香に話し出した。
「あのさ、きらちゃん?恋ってね、教わってするものじゃないんだよ。気がついたらその人が好きで、一緒に居たいとか、振り向いて欲しいとか、沢山考えて、傷ついたり喜んだりして、自分で自分なりの恋を知っていくんだと思う。」
「そうね、、。煌ちゃん。私たちも、失敗したり沢山考えたり勇気を出したりして、それで二人でいるんだよ。」
「だから、きらちゃん。まずは恋をすることだね。もし、本当に好きな人が出来たら、その時は私と恭子がきらちゃんの恋の相談に乗るよ!」
「うん。そうだね。煌ちゃん、恋をしたらまた連絡して?その時は沢山相談に乗るから。」
恋をしたと自覚したことのない煌冷香は、、ぶっちゃけ二人が何を言っているのかあまりわかっていなかった。だけど、
「なるほど、わかりました。私がこの問題を克服するにはまず恋をすることからということですね。探してみます!!恋を!!」
「いや、、恋って相手を探すんじゃなくて、、」
「まぁ、いいんじゃない?人に興味を持つことからはいってもさ。」
煌冷香は、初めて飲んだコーラのカフェインで、ちょっと興奮気味だった。
「楽しみです、、私っ、恋をします!!!お二人みたいになります!」
「そっか。うん、がんばれー。」
「ありがとうございました。また連絡いたします!では、そろそろ帰らないと寄り道がバレてしまいますのでこれで!!」
煌冷香は立ち上がって、可憐にお辞儀をすると、二人を残してハンバーガーショップを後にした。
「あ、煌ちゃん・・・。後片付けは自分でするんだよ~、、ってまぁいいか。」
「面白い友達だね。不思議なことを言う子だったなぁ。。」
「あ、うん。お嬢様なんだよね。大丈夫かなぁ、、。。めちゃくちゃなところあるからなぁ~。」
この日から、煌冷香にとって恭子と郁美は、恋愛の師匠となった。恭と郁できょういく、、教育、、、。まぁいい。
この二人に煌冷香の未来はかかっているのだった。
続く。
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