深夜のブランコ
深夜徘徊というとあまりイメージはよくないが、残暑厳しいこの季節はなかなか気分が良い。
昼間より涼しいし、なにより静かな夜は、空気まで澄んでいるような気がする。
のんびりと雰囲気を味わいながら歩いていると、公園でスーツ姿のおっさんがブランコを立ち漕ぎしていた。
なんでこんな時間に、とは思ったが、俺も人のことは言えない。
ゆーらゆーら、とブランコを揺らしている姿はどこか哀愁が漂っている。
表情は悲壮感が漂っており、スーツもよれよれだ。
まあ、わかるよ。仕事が大変なんだろうな。
深夜の神聖な空気に癒されてほしい。
翌日、あの公園に警察が来ていた。
だれかが首を吊っていたらしい。
ちなみにあの公園にはブランコはなかったそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます