第2話 出合い
あの日から数日たった夏休み前最後の登校日、終業式が終わって昼ご飯を買いに
行った学校の近くのコンビニで彼女と再び出会った。
「あっ、この前の!」
彼女に話しかけられて嬉しくなる自分を押し殺しながら平然を装って、
「こんにちは、偶然だね。」
「まぁ、そうだね偶然…。あの、えっと、名前聞いてなかったね。」
な、なまえか。
「あぁ、僕の名前はりと。君は?」
「私はみくだよ。よろしくね!りとくん、あの連絡先交換しない?
あのあの、よかったらでいいし無理強いはしないんだけど…。」
なんで?と思わなくはなかったがそんな心配そうな顔をされたら断るわけにはいかない。というかむしろ嬉しくてこちらからお願いしたいくらいだ。
「交換しましょう!」
不安が喜びの表情に塗り替えられる瞬間は見ていてこちらまで嬉しくさせられる。
それからのことは鮮明に覚えている。連絡先を交換して、嬉しさのあまり昼食を買い忘れて昼ごはんがなくなったのは言うまでもない。
それからは偶然に出会うのではなく出合うようになった。
先の見えない君へ 三戸翔馬 @mito_syouma
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