イングランド時代・夢をこの手に!

第12話 強かな戦略?・開かれる扉

遂に渡英、舞台はサッカー(フットボール)の母国、

イングランドへと移ります。

それではどうぞ!

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 約13時間のフライト、しかも人生初。まあずっと寝てましたけどねw そして着陸し始めるとき、窓の外にイングランドの、写真やテレビでしか見たことがない中世の様な街並みが眼下に見えて来ました。もう大興奮ですよ! 立ち上がって叫びましたね。


「よっしゃーーーーーー!!! 遂に来たコレーーーーーーーー!!!!!!」


 時間は現地時間の朝5時。僕の叫び声に乗客が驚いて飛び起きます。「何だなんだ???」ってw そしCAのお姉ちゃんに怒られました(笑) 仕方ないじゃん、ずっと夢だった世界が目の前にあるんだしさー。

 とまあ飛行機内で既にテンションMAXでした。


 ひとまず語学学校に直行、入学手続き完了。そしてホームステイ先に入りました。まあ話が逸れるのでアレですが、最初のホストファミリーは頭がおかしかったです(笑) なので一度ステイ先は変えさせてもらってます。そこのおばはんも大概でしたけどwww まあ機会があれば書きます。


 翌日から語学学校での勉強です。まあ英語は好きだったし、プールにわかめ撒く様な愉快な?やつです。すぐみんなと仲良くなりました。まあ決定的なのは生徒たちで草サッカーしたことでしょうね。

 欧州は公園ですら芝生、土のグラウンドを見たことがないです。アメリカナイズドされた日本の野球用土ピッチと大違い。もうこの時点で、そりゃ強豪には勝てねーよな…と、あらゆる面での違い、施設、スポーツ文化、意識、歴史に驚きました。

 そんでフットボールで、各国の日本サッカーを舐めている経験者達をボッコボコにしてやりました。これが認められる一番の理由でしたね。


「お前はプロなのか?」

「さっきのあのトリック(※ここでは相手を抜いたフェイントスキル)はどうやったんだ?」

「君は凄い、英語でわからないことがあればいつでも言ってくれ、いつでも助けよう」

「心からリスペクトするよ。小さなスーパーフットボーラー、KAZU」


 小さいは余計だ、この野郎w まあこんな形です。

 あ、関係ないけどやっぱ飯はマズかったですwww


 勉強するのは当たり前として、プロとしての道を掴む必要があります。僕がまずやったのは、学校に近場でやってるアマチュアチームを探して紹介して貰い、そこに参加することでした。


 実はフットボール先進国では、アマの試合であったとしても、とんでもない結果を出した選手の噂は各地にいるスカウトの耳に入り、すぐに広まります。

 例えば元西ドイツ代表のカール・ハインツ・ルムメニゲ。1986年のWC決勝でマラドーナ率いるアルゼンチンと死闘を演じたゲルマン魂の体現とも言われる当時のエースは、元々平凡な銀行員です。そう言った事例が各国には沢山あります。

 日本とは大違いでしょう? 先ず絶対にありえないでしょう? これが先進国の意識と歴史の違いです。指導者でもプロへの道が開かれています。日本じゃあ顧問の先生がプロ監督になるとか絶対無理でしょ? 未来がない指導者が、未来ある子供を指導している。こんなふざけた国は日本くらいですよ。


 逸れましたね、なので先ずはアマチュアチームに入ることが先決でした。そして学校から紹介状を貰い、直ぐにチームに入りました。B・FCとでもしときましょうか。


 チームレベルは参加して練習や試合に出た限り、日本の地方リーグの2~3部程度。今迄の所属からしたら、失礼ですがぶっちゃけ雑魚です。ここから僕の快進撃が始まります。

 芝生で脚に掛かる負担は練習の時から超少ない。そしてもう大怪我から二年以上は経過していたし、怪我をした部分の周辺の筋肉を鎧の様に鍛えて強化していた、更に指導で身に付けた、ピッチ全体を上から見た様に俯瞰した視野の広さと空間把握能力。そして味方を使うコーチング技術。指導で身に付けた技術が目に見えて生かされました。

 アマ程度では母国だろうが、年代別以外の教員団や県の1部リーグで経験を重ねた自分にとってはカモでしたね。それにT先生やS監督の方がよっぽど上手かった。ぶっちゃけ遅すぎる、止まって見える。ずっと先の未来まで見通せる!


 B・FCに加入後約3か月、毎週末に試合があります。そこで僕は14試合42得点38アシストという驚異的な記録を叩き出します。その小さなイングランド北西部の街では一瞬でその名前が響き渡りました。そうなると観客が見に来ます。そしてプロのチームのスカウトが試合を見に来るようになりました。まあ計算通りです。でもすぐに決まる程甘くはない。

 そんな中、友人のホストファミリーの兄ちゃんがそこのCという街のプロ選手で、チームからの指示で「直接実力を見て来い」と言われたらしく、みんなで近場の大学、後にそこに編入することになります、そこでサッカーをしようという話が来ました。

 待ってたんだよー、こういう展開(笑) これまでの苦悩に比べたら、プレミア傘下の5部リーグの選手くらい、チンチン(※サッカー用語、相手を好き放題にやっつけること)にしてやることなど、遊びの延長線上も当然!

 そしてディフェンスが本職のそのRとしとこうかな、その兄ちゃんを文字通りチンチンにしてやりました。連続股抜き、ヒールリフト、ダブルヒール、高速のシザース(※ボールまたいで、相手を抜き去るフェイントテクニック)、エラシコ(※伸びたゴムの意味するポルトガル語、ロナウジーニョの得意なスキル)、Wエラシコ、細かい左右に揺さぶるステップで転倒させて抜く等々、後は体格差を利用したゴリゴリのフィジカルで獲りに来るところをずっとリフティングしながら躱し続けたりなどです。

 T先生に習ったテクニックが母国でもお釣りがくるくらい通用することは既にアマの試合で実証済み、苦難を乗り越えた自分にはとんでもない自信が漲ってました。


 草サッカー後、そのRから、


「KAZU、お前は真のgenius天才だ。首脳陣には話を通しておく、先ずはテストを受けてくれ。一緒にプレーできるのを 楽しみにしているよ」

「ありがとうR、だが俺は天才じゃない。全ては恩師の指導と努力の成果だ」


 そして、数日後、地元のプロチームCC・FCからの正式なオファーとプロテストの日程の通知がRを通じて、直接僕のところに送られてきました。


 長かった、遂にここまで来た……。苦しかったなあ、足掻きに足掻きまくった。でも諦めなかった、その証が今手の中にある……! 漸く掴んだこのチャンス、絶対にモノにしてみせる!


 T先生やS監督にはまだ伝えませんでした。なぜって? 受かってプロになってから報告したかったからです。



「じゃあKAZU、準備はいいかい? これからチームの選手たちと一緒にプロテストを受けて貰う」

「ほう、一人じゃないんですか?」

「ああ、チームプレーだからね。ウチの主力と混ざってプレーして、どのくらいできるのかを見る為さ」

「なるほど、理にかなってはいる。じゃあ怪我しない様に気を付けてくれってみんなに伝えてやってください」


 Rはニコニコしながらこちらを見ていましたね。そして学校の友人達が見に来ていました。Rのホストファミリーだったやつが伝えたんでしょうね(笑)


「お、おお……、君こそ気を付けてくれたまえ……」

「お構いなく」


 テスト担当のコーチは、「何だこいつは? 本当に日本人なのか?」 って顔をしていましたね(笑)



 こうして、遂に僕のプロテストが幕を開けました。




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遂にプロの一歩手前!

テストはどうなるのか?

KAZUDONAストーリーはどうなっていくのか?

続きが気になる方はどうぞコメントを御願いします。

応援してくれると頑張れます!

当時のことを思い出すと、心にズンときて、今でも涙が出るんです。

皆様の応援が書き続ける気力になります。

よろしくお願いします。


で、そんな僕が連載しているファンタジーです。良ければこちらも眺めてやってください! お願いします!

OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~

https://kakuyomu.jp/works/16817330653523704177


ではまた次回・・・、書きますよ

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