第2話 苦難の小学生時代・中学での飛躍
折角なので、もう一話。
気分転換にでも書こうと思います。
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小学生時代は結構ツラかったです。何度もサッカー辞めたいと思いました。クソ親父が監督ですからね。まあでももう割り切ってプレーできるようになってきて、自主練もかなり、朝・晩に10㎞のロードワークにド田舎だったので、電柱の灯りの下でドリブル、リフティングなどやっていました。その甲斐あってか、小5の頃にはリフティングは普通に軽く5000回は出来ていました。市内のリフティング大会の優勝トロフィーはたくさん持っていました。メンタルが鍛えられてたんでしょうね。
試合でもそこそこ活躍できるようになってました。市の選抜や県選抜も常連でしたね。でも試合でどんなに活躍しても親父から称賛を受けたことはありません。ただの一度も。悔しかったですね。いつか見返してやる、認めさせてやる。そんな思考ばっかりの小学生時代でした。でもまあある程度、ど田舎ですが名前が広まって来ていたので、まだこの頃はそうでもなかったんですが、バレンタインが恐怖になって行きました。もの凄い数が下駄箱やら机の引き出しやらロッカー、机の上もねw どれが誰のかわからないし、持って帰るの重すぎるし…w 見た目が母親に似て女性的なルックスだったのもあるんでしょうが、女子の先輩からも追い回されて愛でられる日々…。望んでいないと怖いとしか思えないんですよこれってw
で、まあ小学校は県大会でベスト4行けたくらいかな? 生徒数も部員も少なかったですから、いつもメンバーギリギリだったんですよね。そんな感じで小学時代は嫌々ながらも投げ出すのは逃げるみたいで嫌だったので続けました。御陰で基礎は身に付きましたけどね。ボールを見ずにリフティングできる様になってました。
そして中学、ここで僕の人生での最高の指導者と出会いました。T先生としときます。この人に出会わなければ、今の僕はなかったでしょう。出会えていなかったら……、そう考えたら怖くなります。それくらいの神です。最初は超怖かったです。全員ビンタとかね、当時は普通でした。今だと大問題でしょうね。でもその人は日体大で全国優勝して、今のJのクラブからもオファーを貰っていた様なレベルの人でした。マジでエゲつない上手さでした。まだ若かったですし、キレキレでした。10人で囲んでもボール取れないんですよ、異常でした。でもその先生の基礎を徹底的に教えるというスタンスの練習で、しかも親父の手からも離れた僕は、初めて、
「サッカーって楽しいんだなあ……」
と思えるようになりました。好きこそものの上手なれ。超好きになりましたよ、それに小学生からの日課も欠かしませんでしたから、ここで初めて、自分には才能があるのかも知れない、そう思えるようになるほどレベルが上がりました。1年から10番でレギュラー、僕たちは一期生だったので3年間みっちりサッカー漬けでした。市選抜、県選抜、地域ユース、県のUー16にも選出されました。3年生の時、初めて全国大会に行きました。地方大会予選は全て10点差以上、絶好調でしたね。ですが、その大会で大人の汚い一面を見せつけられました。
大会は北海道でした。そしてその初戦が北海道のチームだったんですよ。試合は僕たちが8-2の割合で押しまくってました。先生の指導の御陰だ、全国でも通用する、試合中に自分の中にどんどん自信が湧きました。そして亀みたいに必死にディフェンシヴに丸まっていた相手から、終了約5分前に、オフサイドトラップを掻い潜って、自分の左脚で、今でもその感触が残っているくらいの、ゴールの右上天井に突き刺さる様な弾丸シュートが決まりました。キーパーは一歩も動けず、うちの学校の応援席はどんちゃん騒ぎ、あとは守ってカウンターで片が付く。みんな勝利を確信していました。
ですが、その直後、本部から物言いが入りました。地元で開催場にしているホームチームが初戦敗退は、大人のメンツか何かが絡まり合っていたんでしょうね。そして一度ゴールの判定を受けたのに、そのせいでオフサイド扱い。ゴールは取り消されました。判定を覆すなどあってはならないことです。絶対に!
それが取り消された僕らは一気に地獄に叩き落とされた感覚に陥りました。理由がわからない、そしてノーゴール。パニックです。T先生が
「ふざけるな! 横暴だ!」
と叫んでいた鬼の形相を今もはっきり覚えています。でも所詮中学生です、パニくったメンタル状態が静まる訳がなくカウンター、これは急な事態に気が動転していた自分のミスです、今でも
そして奪われたボールから、明らかなオフサイドからの決勝点を叩きこまれました。大人の都合で僕らの全国大会はあっさりと1回戦で終了しました。
「くそがあああ!!! 帰るぞ、お前ら!!」
そう言って去って行くT先生は泣いていました。僕らは当然号泣です。何が起きたのかもわからない。でもボールを危険なゾーンで奪われたのは10番でエースの自分の責任。
「先生、俺のせいです。俺があそこで獲られたから……!」
最後の方は声になりませんでした。悔しさしか残らない初の最後の全国大会でした。
「バカ言うな、お前がキャプテンとして引っ張って来てくれたから、俺達はここに来れたんだぞ。大人の汚い都合に巻き込んですまんかったな」
この言葉にどれだけ救われたでしょうか。先生は3年間僕らを鍛え続けてくれて、漸く手にした全国の切符だったのに……、多分僕らの何倍も悔しかったと思います。そして本当に悔しかったです。無力な自分が。先生をみんなで胴上げしたかったのに……。
後からサッカー協会とかいろいろなところからの情報を聞かされて、一言の謝罪で終わりです。どう思いますか、理不尽でしょ? 僕たちは先生を胴上げしたかった、その北海道のチームが決勝かどっかで負けたんですよ。あの試合に勝っていたら未来は変わっていたかもです。ここで活躍して出来立てのJリーグのスカウトからユースに引き抜かれることまでを考えていましたから。
その後、後輩たちはT先生がいてくれる間はずっと全国連続出場を果たしてくれました。結果はそう簡単には出ませんでしたけど。弟も、3年になると僕の10番を背負って闘ってくれました。
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ちょっと重くなりましたけど、これは今思い出しても涙が出るくらい、
ガキだった自分にはショックな出来事でした。
もし、まだいろいろKAZUDONAのストーリーを見たい方は、ここにコメントや、ノートにコメントを下さいませ。よろしくお願い致します。
そんな僕が連載しているファンタジーです。良ければ眺めてやってください!
OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~
https://kakuyomu.jp/works/16817330653523704177
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