第58話 エキゾチックアニマル学・フェレットは癌になりやすい

 フェレット。

 長い体にちっちゃな手足、ちょこちょこ動く愛らしさ。

 最近になって愛玩動物として飼育されるようになった、イタチの仲間です。


 このフェレット。

 残念ながら、めちゃくちゃ癌になりやすいんです。

 2歳くらいから癌になって、寿命は6~7年くらい。

 同じくらいの大きさの猫が15年くらい生きるのに比べると、なんとも短命です。


 「フェレットの三大腫瘍」という不名誉な名前の病気はこんなん。

 ①インスリノーマ

 血糖値を下げる作用のあるインスリンを出す細胞が癌化する病気。

 インスリノーマになると、低血糖になりすぎて歩けなくなります。


 ②リンパ腫

 血液の中にもともとある、リンパ球が腫瘍になって、異常増殖する病気です。つまりが白血病ですね。


 ③副腎腫瘍

 副腎の外側、皮質というところが癌化します。

 副腎皮質はステロイドホルモンを作るところ。

 ここが癌になると、ステロイド薬を使いすぎたときみたいに脱毛します。プラスで、ホルモンのせいで前立腺が肥大して排尿障害になったり、貧血になったり。


 動物保険って掛け金が高めなんですが、フェレットだけは保険に入っておいた方がいい……と獣医師の間では囁かれています。

 そのくらい、フェレットは癌になりやすい(治療費が高くなる)。

 フェレットが癌になりやすいのは、老化が早いからです。

 じゃあ、なんで老化が早いのか? というと、遺伝子の仕業みたいです。



 ちなみに……

 ハダカデバネズミという、手のひらサイズの動物がいます。

 アフリカの土の中で、蟻みたいな巣穴を掘って暮らしている、モグラの仲間です。

 彼らは、フェレットと逆で、老化がめちゃ遅い。

 ネズミ(寿命3年くらい)と同じくらいの大きさなのに、なんと30年も生きる!

 老化しにくい遺伝子変異があるんだとか。

 遺伝子変異が何をしているのかは、究明中です。


 いつか、フェレットも人間も、老化を遅くする薬ができるかも?

 未来に期待っ!





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