第57話 寄生虫学・エキノコックスは時限爆弾式

 エキノコックス。

 手塚治のマンガ、ブラック・ジャックにも登場しているので、ご存知の方もいますかね。

 日本国内にもまだ存在する、悪名高い寄生虫です。


 彼らの本来のライフプラン(生活環)はこうです。

「ネズミの肝臓で卵から孵化しよう。犬にネズミごと食べられて、犬の小腸で一生ぬくぬく暮らすんだ~。

 卵は…(思案)…犬の糞と一緒に出しとくか!」

 ってことで、彼らは、ネズミ→犬科動物(キツネ、犬)→環境(水、土)→ネズミ……と、移動しながら生きてます。


 ネズミではなく人間が卵を摂取してしまうと、人の肝臓で幼虫が悪さをします。

 ただ、寄生虫にとっても人間に入るのは不本意……。

 本来のライフプランから外れるので、増殖スピードがめっちゃくちゃ遅くなります。

 人で肝臓に影響が出てくるのは、エキノコックスの卵を摂取してから10~20年後くらい。

 忘れた頃に発症する。

 時限爆弾式なんですね~


 自然溢れる北海道。

 なのに生水は飲んではいけない……と言われるゆえんは、このエキノコックスです。

 北海道のキタキツネが汚染されてるからですね。(汚染キツネが流氷に乗って移動してきた説が濃厚)

 美味しい沢水も、煮沸してから飲まないといけません。エキノコックスの卵は加熱で死ぬからです。


 子供の頃。

 北海道の大雪山に登ったときに一度だけ、沢水をそのまま飲んだことがあります。

 ……登山中って、暑いんだよ! ついつい。

 しかし健康診断の度に、「私の肝臓は今年も大丈夫か??」と心配になりました。

 20年たって、ようやく胸を撫で下ろしてます。飲まなきゃよかった……


 ちなみに、北海道の冷た~い沢水はめちゃくちゃ美味しかったです。

 まさに背徳の味。

 



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