第50話 内科学・猫は生のイカで腰を抜かす

 猫に生のイカを食べさせると、「腰を抜かす」と表現される症状が出ます。

 イカが美味しくて感動するから……では、ありません!

 後ろ足が麻痺して動かなくなるんです。


 なんで麻痺するの? というと、ビタミンB1が欠乏するからです。

 つまりが、脚気になるんですね。


 生のイカには、チアミナーゼという、ビタミンB1(チアミン)を分解する酵素が入っています。

 ビタミンB1は、炭水化物(糖類)を体のエネルギーに変えるために必要なもの。エネルギーがないと体が動きません。

 猫は、他の動物よりもビタミンB1を多く必要とします(必要な量は、猫>犬>>人)。

 なので、猫は生のイカを食べると、ビタミンB1欠乏になりやすいんですよね。

 犬でも多めに食べるとなりますがね。


 チアミナーゼは酵素(蛋白質)で熱に弱いので、加熱したイカではビタミンB1欠乏になりません。

 じゃあイカを焼けばいいんだね? と思いきや。

 焼いたイカは硬いので、消化不良になったり、喉に詰まる危険性も。

 犬猫ってサイズが小さいから、食道も腸管も人間より全然細くて、繊細なんだよね……。

 

 ってことでイカは、ペットのエサにはあんまりオススメできない食材です。

 あんなに美味しいのにね~


 ちなみに、私のふるさとは、イカで有名です。

 子供の頃からイカをさばき、もりもり食べて育ちました。

 やっぱ新鮮なイカ刺しは最高。そして塩辛は日本酒に合うあう。

 人間で良かったわー!!

 

 

 

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