第43話 魚病学・クドア寄生虫はルイヴィトン似

 クドアという、魚の寄生虫がいます。


 こいつらは、魚の肉をゼリー状にして商業価値をなくしたり、人を食中毒にしたりします。ヒラメの食中毒が有名です。

 残念ながら2023年末に、大きめの食中毒があったので、ニュースを見た人もいますかね?

 寄生虫は冷凍や加熱で死にますが、ヒラメの刺身は新鮮なのが美味しいので、たまに発生する食中毒です。

 クドアはアニサキスとかより断然小さくて、肉眼では確認できないしね……。


 この寄生虫。お花みたいに、涙型の胞子が4つ以上集まった形をしてます。

 胞子が7つあるもの(Kudoa septempunctata)は、ナナホシクドアと呼ばれたりもします。


 大学生のときのこと。

 教授が、胞子4つのクドアと、ルイヴィトンの柄(菱形みたいの)をスライドにうつして、満面の笑顔で言いました。


「このクドア、ルイヴィトンの柄にそっくりでしょう? これに気付いたときの感動といったら! これが国家試験に出たら思い出してね。ルイヴィトンですよー!」


 なんとも魚病愛に溢れる講義!


 私の年の国家試験には出ませんでした。

 でも、高級なイメージのブランドと寄生虫のギャップが激しすぎて、一生の脳裏に焼き付きました……。


 ルイヴィトンには内緒ですよ。


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