第37話 臨床学・大動物との触れ合いは雑

 獣医業界では、牛・馬・豚を大動物と呼びます。対して犬・猫は小動物と呼びます。

 大動物を診察する獣医師は、皆さん豪気で力強いです。

 だって、相手が大きいから!


 例えば、牛に近づくとき。

 牛は草食動物なので、人間が死角から近づくと、「怖い、襲われるわ!」と勘違いして蹴飛ばしてきます。

 それを防ぐために、「今から君に近づくよー」と、声をかけたり体を触るのですが……このボディータッチが激しい!

 手のひらで「ばしばし!」と牛の体を叩きます。けっこうな音がするくらい叩く。

 初めて見たときは、「え、そんなに強く叩いていいの?」って思いました。

 牛の皮膚はぶ厚いので、撫でるように触っても気付いてくれないんですよね~


 そして注射をするとき。

 突然針を刺すと、牛がびっくりして、これまた蹴飛ばしてきます。

 なので、注射をする場所を手のひらで「ばしばし!」と叩いてから針を刺します。

 ばし、ばし、ブスッ! ってかんじです。

 そうすると牛達は暴れずに、おとなしーく注射させてくれます。

 牛的には、注射針は全然痛くないみたい。


 ちなみに牛に移動して欲しいときは、エンジンの切れた車よろしく、腰骨のところをぐーっと押します。

 でも、非力な女性が押したくらいでは、びくともしないんですよね~!

 牛は600kgぐらい。軽自動車(約200kg)より重いですからね。

 大動物獣医師が力強くなるのは、もはや自然の摂理かも?


 ってことで、大動物獣医師は男性が多いです。最近は女性も増えてますがね。

 私の友人の女性獣医師は、大動物の診察+子育てのおかげでモリモリ筋肉がつき、大変屈強になりました。

 カッコいいー!


 


 

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