第36話 内科学・猫様はグルメすぎる
犬は、お皿にエサをのせると、たいてい全部ペロリと食べてくれます。
でも猫は違います。気に入らないエサには見向きもしません。お腹が空いていても、「パンではなくケーキをお持ちなさい」的な風情です。
猫のこのグルメさ。とっても困るシチュエーションがあります。
太り気味の猫が、病気とかで食欲がなくなったときです。
生き物が長い時間食べないと、体の中ではこんなことが起こります。
・体からエネルギー源(グルコース)が不足する
・肝臓に体内の脂肪が集まる
・肝臓で脂肪が分解されてエネルギー源になる
太り気味の猫は、皮下脂肪をたくさん持っています。
そういう猫が長い時間食べないと、体中の脂肪が一気に肝臓に集まります。
すると、肝臓が脂肪でいっぱいになり、機能不全になります。これを「肝リピドーシス」といいます。
要するに、急激な脂肪肝ですね。
猫は他の動物よりも、脂肪をエネルギー源に変換する力が弱いので、肝リピドーシスになりやすいんです。
肝リピドーシスの治療で大事なのは、「食べてもらうこと!」
とにかくエネルギー源を外から補給してもらわないといけません。グルメな猫様をなだめすかし、なんとか食べてもらいます。
どうしても食べない場合はチューブで流動食を飲ませる羽目になります。治療しないと死んじゃうからね。
ちなみに、肝リピドーシスの予防法は、猫を肥満にさせないこと。
ダイエット……。
大事だと分かってはいても、なかなか上手くいかないことのひとつですよね~
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