第32話 公衆衛生学・旨い魚は食べ過ぎ注意

 アブラボウズ、鳥刺し、ユッケ、生焼けのレバー、絞りたて牛乳……。

 それなりに危険があると分かってはいる。けれど美味しくてやめられない!

 そんな魔性の食品たち。

 今回はアブラボウズについてです。


 アブラボウズは、深海魚です。白身魚で、脂がぷりぷりにのっています。

 照り焼きにすると最高っ! 日本酒に合う!

 でも、たくさん食べるとお腹を下します。油分が多すぎるからです。


 こういう魚は他にもいます。

 アブラソコムツや、バラムツです。こっちの方は、「ワックスエステル」という、人が消化できない油分が含まれているので、食用(流通)が禁止されています。

 でも、脂がのってるんですよ。

 つまり?……旨い!

 旨いものは、だいたい脂と塩でできてますよね~。

 市場での取引きは禁止されていますが、釣り人がこっそり手に入れて、食べているとかいないとか。


 親族で会食したときのこと。お店で、アブラボウズの料理が出たことがあります。

 でも、一皿に出てくるのは、ほんのちょっと。

 親族が、美味しいからと追加の注文をしようとしたら、店員さんが笑顔で言いました。

「いやぁ、さっきのが最後の一切れなんですよ。すみませんね~」

 お店の人が、食べ過ぎたときのことを知らないわけがない。

 見事な返し!


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