第30話 解剖学・鳥が空を飛ぶために失ったもの

 大空を長時間飛べる鳥たち。

 カッコいいですよね~。

 脊椎動物であんなに飛べるのは鳥類だけ。

 彼らの体はすごいです。空を飛ぶことにパラメーターを全振りです!


 飛行機で考えてみましょう。

 効率良く飛ぶために、何が必要でしょう?

 高性能なエンジンと、フレームの軽量化ですかね。


 まずエンジン。

 鳥のエンジンは、羽ばたくエネルギーです。細胞がエネルギーをたくさん作るには、たくさんの酸素が必要です。

 そのために鳥は、肺だけでなく、「気嚢」という呼吸器官を持っています。体のあちこちに、空気を入れる袋があるんですね。

 この気嚢のお陰で、鳥達は哺乳類よりもたくさんの酸素を使うことができます。

 エンジンの出力を上げたんですね~


 次にフレームの軽量化。

 彼らの骨は「含気骨がんきこつ」といって、スカスカで軽いです。しかも強度はちゃんとある。哺乳類では体重の20%もある骨を、鳥は5%まで軽量化しました。

 そして生殖器も効率化しました。卵巣が左側しかないのです(右側は退化)。それでも機能は維持できている。

 すごーい!


 代わりに失ったものもあります。脳を軽量化したので、知能はイマイチ...

 たまにカラスやオウムみたいに賢い鳥もいますが、基本はそんなに情緒がありません。


 何もかもは手に入らない。世の摂理ですね~

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