第27話 臨床学・獣医師はペットに嫌われる

 動物病院に行くと、「私、ここは嫌です!」と必死で主張しているペット達を見かけます。

 「ひゃいーん!」と哀れっぽく鳴いたり、入り口で両足を突っ張って抵抗している犬達。キャリーの中からシャーシャー威嚇してくる猫達...。

 ちょっとした地獄絵図です。

 ペットにとって、獣医師は「嫌なことをしてくる人」。痛い予防注射をしたり、押さえつけて検査をするので当然です。

 なので獣医師は、ペット達に嫌われます。


 動物病院に勤務している獣医師が集まると、ペットあるあるをよく話します。

「柴犬があんなに狂暴だって知らなかったわ~。ショックだった」

「パピヨンもすごいよね!可愛い顔で歯を剥き出しにして怒ってくる」

 ペットたちは、獣医師の前でだけワイルドな顔を見せることも。

 

 自分のペットを飼っている獣医師もいますが、予防注射やらを他の人にお願いする人も多い。

 理由はひとつ。

「自分のペットに嫌われたくないから!」

 でも、手術は自分でやるって人もいます。ペットの意識がないときなら、処置したことに気付かれないからです。

 でも、動物はけっこう勘が鋭い。

 しかも、2~3歳の子供と同じくらいの知能を持っています。

 可愛いペット達、内心では

「この飼い主、自分が手術してないフリしやがって...仕方ねぇな~」

 と思っているかも。



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