第8話 実験動物学・クローズドコロニー

 科学実験で使う動物も、獣医学の範疇です。

 代表的なのはネズミですね。

 で、ネズミちゃん達には、実験に適した性質を持つように繁殖してもらいます。

 その性質のひとつは……個体差が少ないこと!


 例えば、薬を売っている人がこんなことを言ったら、どう思います?

「この薬を飲むと病気が治るんです!

 三回やったネズミの実験のうち、二回は病気が治らなかったんですけどね。あはは。

 でも大丈夫、ネズミの個体差ですから!」

 え、マジ? この薬、本当に効くのかしら……?


 そう、科学に大事なのは「再現性」です。

 何回やっても同じ結果になるなら、きっと真実だよね!

 ということで、科学の再現性を守るために、実験動物は個体差が少なくなるように繁殖します。

 いくつか方法はありますが、そのひとつが「クローズドコロニー」。五年以上、同じ集団の中で交配を続け、外から新しい動物を加えないという方法です。


 実は……獣医学部は同じメンバーで六年間学びます。

 十代後半から二十代中頃の男女がずーっと一緒にいれば、まあ、自然となんやかんやありますよね。

 友達の今カレは自分の元カレ的なカオスな事故も多発します。

 この状況を、獣医学生は皮肉を込めてこう呼びます……「クローズドコロニー」!


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