第4話 臨床学・猫様は洗濯ネットへ

 動物病院では犬猫を診察することが多いですが、ちょいちょい狂暴な子もいます。

 特に猫。犬と違って人に服従しない動物な上、体が超しなやかなので、とんでもない所から爪が飛んできます。

 特に手術後、麻酔が切れかけた猫は野生そのもの。

 痛いし意識が朦朧としてるので、「こんなひどい目に遭わせたのはお前だな!」と猫パンチをかましてきます。

 猫パンチって、かわいい名前ですがけっこうざっくり切れる切れる。一生消えない傷をもらっちゃう獣医師もちらほら。


 ということで使うのが...洗濯ネット!!

 通気性抜群! 爪が飛んでこない! 持ち運びやすい! ネット越しに筋肉注射可能! これぞ文明の利器!!

 ばんばんざーい!


 獣医師が怪我をすると、その後の診察ができなくなるので、猫様には手術後、少しの間ネットに入ってもらって、入院室に運び入れることがあります。

 もちろん、ずっとじゃないですよ。長くても麻酔が切れるまでです。


 麻酔が切れかけの時に、洗濯ネット越しに注射してからネットを外すと、猫様が蔑むような目で見つめてきます。

 かわいいかわいい。






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