君、想う。

あ、そうだ、水族館行こ？③

「よしくんは1回来たことあるんだよね。」

僕は水族館1階の大水槽の前で彼に聞いた。

「1回だけな。その時は大して面白くなかったけど。」

「じゃあ、今日は？」

僕は彼に対して、意地悪な質問をしてみた。

その質問に彼は凄く悩んでいる。

「ま、別に。面白いとか面白くないとか、そういうの気にしないタイプなので。僕。」

僕が凄くそっぽを向くような言い方をすると、彼は僕に、

「お前さ。それ、どういう気持ちで言ってんの？」

と僕の顔を見つめて言ってきた。

「気持ちとか、そんなの考えてないよ。ホントのことを言っただけ。」

「あっそう。」

彼は僕の言葉の意味を理解したのか、前をまた向き、水槽の中で泳いでいる魚たちを見始めた。

僕も青く輝いている彼を横目にして、水槽の方に顔を向けた。

『俺との外出は、お前は楽しいのかな。』