第13話 甘すぎる
このマスカット、甘すぎる。だいたい、果物なんて甘くすればいいとかいう考えはおかしい。
確かに甘いのはいいんだけど、程度というものがある。
「これ、甘すぎないか?」
「そうですか?そうでもないと思いますが?」
「え~、僕、甘いもの嫌いなんだけど~」
結局この犬耳のアホは上から何かを着ようとかはしなかった。てかなんで食べること前提なんだよ、図々しいぞ。
あ、そうだ!凍らせれば甘さを抑えられるんだっけか。よし、早速【
それを唱えると、目の前にあったマスカットが凍る。ついでに部屋が一気に温度が下がる。
いや、【
「うん、これでよし」
「良しじゃないですよ!寒いじゃないですか!」
「おお、本当に温度調節機能が働くんだ」
試しに一つ食べると、今度は冷やしすぎたせいか舌にくっ付く。やっぱり美味しく食べる方法はないのかもしれない。
「あ、まふい!こえはあれあいやうあ!(あ、まずい!これはがれないやつだ!)」
「え、それ大丈夫なんですか!?」
「はいひょうふは、はいあう、ひはおひいひいっへひーうふえはいい(大丈夫だ、最悪、下を引きちぎって【
えぇ・・・と実凪は引いているようだが、【
「ところでさ、次はどうするのさ、レベルアップしたといっても1しか上がってないじゃないか、そのペースで行くと世界征服なんか夢のまた夢じゃないのかい?」
そういえば何にも考えてなかった。正直言ってレベル1よりもマシになったとはいえステータス、もといMP量はまだまだ全然足りない。派手な大技とかが打てないのも物足りない。せめてアレさえあればそこは解決するのだが、それももうないし・・・
「まあそれしか今は方法はないし、今日もレベルを上げることにするか。あ、そうだ、今思い出した!次のレベルアップまでの経験値ってかそういう感じのって【
「あ=、うん、それね、分かったところで意味ないんじゃないかな~・・・」
何か言いずらそうにしているけど分かったところでそもそもの話モンスターから得れる経験値が分からないんだったらまあ意味はないのかも。というより、今思い出したけど聞きたいことはこっちじゃなくてあのシルクハットの【
「ふーん、まあいいか。それよりもこっちのシルクハットの【召喚サモン】の使い方分かる?」
どれどれと言いながらシルクハットを見つめる。そういえば固有スキルの方って普通のスキルと違う点が多い。まずは発動条件だ、固有スキルは一切何かを唱えるといったことをしなくても良いのだが、普通のスキルは基本そのスキル名を唱える必要がある。状態異常:沈黙の場合、前者は発動できるが、後者はスキルは発動しない。まあ俺にはあまり関係のない話だけど。
「なるほど、【
「つまりそれって」
「うん、ただのマジックグッヅだね~」
なんだよ、それぐらい説明に書いとけよ!
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