第12話 呪縛
<実凪視点>
鉄の臭いが鼻を刺激し、意識は覚醒する。
真っ赤に染まった部屋、そこに私はいた。
私が何をしていたか、それはすぐに分かる。
なぜなら、まるで動画を逆再生したかのように時間が巻き戻ってゆくから。
私は・・・・・・
「・・・っ!」
またこの夢か。
私はあの災害があった日以来この夢をよく見る。
いや、本当に夢なのかと思うくらい現実味がある、不思議な感覚だ。
汗をかいたせいか喉が渇いた、水でも飲もう。
そう思い、私が扉を開けるとそこには――
「い、いや、もういいから・・・本当、もう【
「なんだよ!君が始めたことじゃないか!!ちゃんと見ろよ!!!」
なぜかバニー姿になっている変な人と、それを見てなぜか顔に手を当ててうずくまってるあの人がいた。
え、ちょ、え?どういこと?
目の前の光景に一瞬思考が停止した。が、すぐに頭に血が上る。
「な、なにをしているんですか!!!」
「見れば分かるだろ!こやつがこんな呪いの装備を無理やり着させたんだ!」
「いや、最初はお前耳いくつあるんだよって馬鹿にしようと思ったのに流石にアラウンドすれば40歳くらいの人にこんなの着せたのは悪手だった」
「君、失礼だね!僕はまだ20代だよ!」
「あれ、35歳じゃなかったっけ?」
「いやそれは僕じゃなくて僕の姉の方だって!」
「あーもう、いい加減にして!二人ともそこに正座してください!」
「「はい・・・」」
そう言うと二人はその場に正座する。
「だいたいなんなんですかその服装は!そんなもの着せようとするとかどうかしてます!」
「いや、これはこの馬鹿犬が全く反省しないから罰に呪いの装備を着せただけだ」
「何でそうなるんですか!もっとこう、他のやり方はなかったんですか!変態!」
「そうだ!まさか触れるだけで着させられるとは思わなかったんだ!」
「というより、あなたもですよ!さっき言っていた【
「いや~、それがうやら【
「最高レア?なんだそれ?」
「あー、そういえば【
「なら上からなにか羽織るとかすればいいじゃないですか!」
「え?なんで?別に寒くもないのに着る必要はあるのかい?」
「いや、見るに堪えないからさ・・・」
「なんだと!見るに堪えないとはなんだ!」
これ、どうやって収拾をつければいいんですか?
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